研究実績の概要 |
本研究計画では自律型ロボットへ応用可能な脳型計算機の実現を目的とし,理論,回路,応用の三つの面からの目標達成を目指す. 理論・回路班では,Deep Neural Networks (DNN) の構成要素であるRestricted Boltzmann Machines(RBM),AutoEncoders (AE)に着目し,これらについてハードウェア指向のアルゴリズムを検討した.RBMでは,発火確率を求める積和演算の計算過程で現れる切り捨てビットを乱数の代わりに用いることを提案した.AEでは,Tied Weight の構造を生かすことでシナプス回路に必要な回路規模を削減するShared Synapse Architectureを提案した.さらに,人物検出に特化したハードウェア指向 Multiresolution Co-occurrence Histograms of Oriented Gradients(MRCoHOG)とそのディジタル回路アーキテクチャを提案した. 応用班では,@ホームサービスロボットへ様々な知的回路を実装するプラットフォームとして提案したRobot Operating System (ROS) からField Programmable Gate Array (FPGA) 内の仮想回路へと簡便にアクセス可能なROS-FPGAの改良を昨年度に引き続き行った.本年度はアプリケーション回路としてMRCoHOGを用いた人物追跡をFPGA内に実装し,ホームロボットExi@へと応用した.その他,昨年度までに確立してきた深層畳み込みニューラルネットワークと転移学習によるロボット向け画像認識システム等もホームロボットへと組込み,RoboCup Japan Open 2016, 2017へと出場し,競技会でその実用性を示した.
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