研究課題/領域番号 |
26330285
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
谷口 唯成 東海大学, 情報教育センター, 准教授 (70392032)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 非線形制御 / 区分的システム / フィードバック誤差学習 / 脳型制御 / 非ホロノミックシステム / 軌道制御 / ハイブリッド制御 |
研究実績の概要 |
当該年度では,区分的双線形モデルによるエキスパートシステムの解析と設計の基礎として主に以下の研究を行った. 区分的双線形モデルを用いて,小脳皮質の内部モデルとして提案されているフィードバック誤差学習手法の開発を行った.1)アクチュエーターの限界として知られたシステムの飽和問題に対する手法であるアンチワインドアップ手法に対し,区分的双線形モデルを用いてフィードバック誤差学習手法を提案した.2)自動車制御ソフトウェアに多用されるルックアップテーブル型の制御器を区分的双線形モデルで構築した.本稿では,望ましいアクセルペダルの開度,エンジン回転数,ブレーキトルクと実際のふるまいを適合させるためのルックアップテーブル型フィードフォワード制御器のフィードバック誤差学習を提案した.3),ロバスト制御システムである脳型制御手法を実現する試みとして,オンラインでフォワードモデルの同定,制御器設計,逆モデル学習を同時に実現することを示し,端点配置原理とフィードバック誤差学習を同時に実現した. 区分的双線形モデルを用いた制御系設計の理論的研究として,非ホロノミックシステムである制御対象に区分的双線形モデルを構築し,動的フィードバック線形化手法による区分的安定化制御器設計手法を提案した.4)1輪車の軌道制御手法,5)自動車型ロボットの軌道制御手法,6)4ロータヘリコプターの軌道制御手法を提案した.また制御システムに特異点を有する非線形システムの安定化は非常に困難である.7)特異点を有する非線形システムの安定化手法として,スイッチング区分的双線形モデルを用いたハイブリッド制御手法を用いて安定化を実現した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当年度では,区分的双線形モデルを用いて,小脳皮質の内部モデルとして提案されているフィードバック誤差学習手法を開発し,コンピュータシミュレーションによる有効性を確認した.区分的双線形モデルを用いた制御系設計の理論的研究として,非ホロノミックシステムである制御対象に区分的双線形モデルを構築し,動的フィードバック線形化手法による区分的安定化制御器設計手法を提案した.また特異点を有する非線形システムの安定化手法として,スイッチング区分的双線形モデルを用いたハイブリッド制御手法を用いて安定化を実現したことから,ほぼ順調に進んでいるものと考える.
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今後の研究の推進方策 |
本手法の実対象への適用性を高めるため,区分的双線形モデルを用いたシステム同定手法の開発,安定解析・安定化条件の保守性を改善していく.
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次年度使用額が生じた理由 |
予算化したときより航空運賃等の出張旅費が少なく済んだため.
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次年度使用額の使用計画 |
翌年度の出張旅費として使用する予定である.
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