研究課題
実環境でロボットが自律的に移動する能力は非常に重要であるが、複雑な環境での自己推定、目標位置への経路計画は依然として発展途上の課題である。その中で、生物の行動様式を模倣するアプローチが注目されている。特にラットは周囲の環境の情報を手がかりに自己位置を把握することによって、複雑な環境で正確かつ迅速に移動することがよく知られている。そこで本研究では、ラットの脳信号(Local Field Potential)に基づく新しいロボットナビゲーション手法を提案した。始めに、ラットの移動戦略をロボット制御に組み込むために、多重分岐Y迷路におけるラットの移動戦略を分析した。その際、ラットの学習成績は、正しいルートの選択率、餌場に到達する時間、および移動速度によって評価した。次に、3つの脳領域から同時にLFP(Local Field Potential)を記録し、LFPから抽出された特徴を人工ニューラルネットワークに学習させた。これを用いて、ラットの次時刻における位置、特にY分岐における意思決定の瞬間を予測できることを確認した。最後に、我々はこれらに基づいて、ラットの意思決定様式を模倣するように、ロボット自身の内部状態と外部センサ情報を統合し学習するアルゴリズムを開発した。アルゴリズムを実装したロボット実験により、その有効性を確認した。この研究の成果は国際会議で発表され、また国際ジャーナルに掲載された。2月23日から24日にかけてフランスで開催された19th International Conference on Medical and Bioengineering (ICMB2017)において、“Best Presentation Award”を受賞しました。
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Journal of Electronic Science and Technology
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Journal of Medical and Bioengineering
巻: 5 ページ: 113-118
10.18178/jomb.5.2.113-118