研究実績の概要 |
本研究の目的は、空間の最適な再構成における移動モジュールの振る舞いについて解明することである。既存の知能化空間はセンサ、アクチュエータなどを空間中に分散配置して中にいる人を支援した。しかし、既存の知能化空間は人の位置や活動の目的によって常に変わる最適なデバイス位置に対応することが出来ない。この問題を解決するために天井や壁上を移動する移動モジュール(Mobile Module, MoMo)が考案され、本研究ではMoMoに搭載されたセンサやアクチュエータなどを空間の状況に合わせて最適に配置する、MoMoの振る舞いの解明を目指す。
平成26年度の研究実施計画では最も基本的なデバイスである、カメラセンサ、照明、プロジェクタのモデル化を行い、対象者1人を基準に最適な位置と姿勢を求める評価関数を開発し、この結果をコンピュータシミュレーションと実機実験を用いて評価すると同時に基礎的な経路計画及びトラシック制御アルゴリズムを開発することとした。
本研究の目的と平成26年度の研究計画に沿って研究を行い、その成果を国内外の学会に報告した。現在までの主な研究実績として3点が挙げられる。まず1点目は、デバイスのモデル化である。当初、デバイス毎にモデルを作成する予定であったが、デバイスを要素還元法に基づいて幾つかの要素に分解し、その要素毎のモデル化を行った。2点目は、モデル化された各デバイスを空間内の状況に合わせて評価する手法の開発である。この手法により最適なデバイスの配置が可能となる。3点目は最適なデバイスの位置が決まったときのMoMoの移動経路計画と制御である。2台以上のMoMoにおいてコンピュータシミュレーションを通してその有効性を検証した。実験に関しては1台のMoMoを用いて実証実験を行った。
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