研究実績の概要 |
本研究の目的は,空間の最適な再構成における移動モジュールの振る舞いについて解明することである.既存の知能化空間はセンサ,アクチュエータなどを空間中に分散配置して中にいる人を支援した.しかし,既存の知能化空間は人の位置や活動の目的によって常に変化する最適なデバイス位置に対応することは困難であった.この問題を解決するために天井や壁面上を移動する移動モジュール(Mobile Module, MoMo)が考案され,本研究ではMoMoに搭載されたセンサやアクチュエータなどを空間の状況に合わせて最適に配置する,MoMoの振る舞いの解明を目指す.
平成28年度の研究計画では,初年度と次年度の研究継続を基本としながら条件を複雑にしてこれまで開発した内容を深化させ解決することとした.
本研究の目的と平成28年度の研究実施計画に沿って研究を行い,その成果を国内外の学術会議にて報告した.また,MoMoの最適配置アルゴリズムにについては国際学会誌に投稿し,掲載された.平成28年度の主な研究実績を以下に述べる.MoMoのハードウェアメカニズムを改善し,従来より高速で安定的に移動できるようにし,移動速度や移動成功率を向上させた.次に,コンピュータシミュレーションを通して,複数台のMoMoに複数台のデバイスを搭載した場合に,空間内の状況に合わせて最適配置できることを確認し,そのアルゴリズムを国際ジャーナル(Jong Seung Park and Joo-Ho Lee, "Best Effort Location for a Device in Reconfigurable Environment," Vol. 7, No. 3, pp. 146-155, August, 2016.)にて報告した.
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