【最終年度に実施した研究の成果】 最終年度では,本研究にて対象とする筋内力のフィードフォワード位置制御について,筋の付着位置に関する収束性の数学的条件を詳細に明らかにした.具体的には前年度までの収束条件の解析では,1)1関節2筋システムの収束条件,2)2関節6筋システムの収束条件など,システムを限定して収束条件を明らかにしてきた.またこれらの解析結果を拡張して,より一般的なシステムについて3)個々の関節自由度が1自由度に制限された場合にのみ収束条件を明らかにしてきた. 最終年度では,上記3)の成果を拡張し,個々の関節自由度数が特に制限されていない場合の収束条件を明らかにすることが出来た.また,コンピュータシミュレーションを用いて,解析により得られた条件を検証した.その他,本手法を実際に多リンクを有する内骨格ロボットに適応するために,形状記憶合金アクチュエータやゲル状アクチュエータを用いた制御手法の確立とモデル化を行った.また,これらの内容について,国内学会,国際会議などを通じて広く成果を公表し,さらに査読付き英文雑誌に論文投稿を行った. 【研究期間全体を通じて実施した研究の成果】 研究期間全体を通して実施した研究の成果は以下にまとめることが出来る.I)内骨格構造を有する一般的なシステムについて,筋内力のフィードフォワード制御による位置決めが可能な数学的な条件を明らかにした.II)コンピュータシミュレーションによる検証を行った.III)数学的条件をもとに,ロボットマニピュレータの応用を行う上での設計法を提案した.IV)ロボットマニピュレータに応用する際に必要となる人工筋肉について,モデル化を行った.
|