街を歩いているとき魅力あるものを発見する人もいるし,それに気づくことさえなく通り過ぎる人もいる.偶然に価値あるものを発見する能力はセレンディピティと呼ばれる.この発見はしかし偶然のものではなく,この能力は一定のメカニズムにより達成される.本研究はこのメカニズムを解明するために行われた. 情報は知覚,興味,心象,行動から成るサイクルで処理されるものと考える.すなわち人は環境から選択的に情報を得,その人の特性により情報を再構築し,その興味を用いて街の心象を形成し,そしてこの心象に誘われて新たな方向に導かれる.各段階の処理は実験データに基づいて解析され,日本人と外国人,居住者と来訪者の比較が行われた.
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