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2015 年度 実施状況報告書

表情が刻むコンテクストによるエピソード記憶の構築

研究課題

研究課題/領域番号 26330312
研究機関秋田県立大学

研究代表者

間所 洋和  秋田県立大学, システム科学技術学部, 准教授 (10373218)

研究分担者 佐藤 和人  秋田県立大学, システム科学技術学部, 教授 (80390904)
下井 信浩  秋田県立大学, システム科学技術学部, 教授 (10300542)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード適応共鳴理論 / エピソード記憶 / 搭乗型自律移動ロボット / コンテキスト / カテゴリマップ / 表情空間
研究実績の概要

2年目の平成27年度は,環境内を自律的に移動するための行動様式を生成するプログラムを開発した.また,評価用のプラットフォームとして,視覚機能に重点を置いた搭乗型の自律移動型ロボットを試作した.エピソード記憶の生成に関しては,完全同期の2眼式カメラを用いて,表情とシーンの同時撮影を行った.
(1) 自律行動様式の生成(間所,佐藤):ロボットの視覚から得られるシーン画像の移動に伴う見え方の変化と,測域センサから得られる距離情報から,顕著性マップを用いたビジュアルランドマークに基づくセミオートパイロットの行動様式を生成した.
(2) 移動ロボットの設計と製作(間所,下井):3 次元設計支援装置を用いて,
評価実験用のプラットフォームとなる搭乗型ロボットの外観, 機構,及びフレームをモジュール単位で設計した.また,歪強度と座屈荷重を計算し,シミュレーションを通じて,搭乗時の走行性能を検証した.人間が行き交う一般環境での移動を想定していることから,安全性や親和性を十分考慮した.ハードウェアの構築に加えて,移動のためのモータ制御用プログラムは,前進や後進, 旋回などの行動セットをライブラリ化による汎用性の高いプログラムとして開発した.
(3) エピソード記憶の生成(間所):平成26年度に構築した表情空間マップとコンテクスマップを用いて,イベントの遷移をエピソードとして時空間情報として表現した.また,ARTのビジランスパラメータを変化させることにより,イベントとエピソードの関係性を分類粒度という観点から実データで評価した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初計画に沿って自律移動ロボットの試作と行動様式のプログラムを開発した.また,実データを用いてエピソード記憶の工学的モデル化を示した.以上の成果は,学術論文3編(英文),国際会議発表1編,ベストペーパー賞受賞1件へと結びついた.

今後の研究の推進方策

最終年度となる平成28年度は,シーンの分類結果及びユーザの文脈理解を,認知科学的側面を踏まえて定量的に評価する.表情空間マップについては,基本6表情及び律動的な表情表出について,感性情報学的に評価する.また,オクルージョンやコラプションに対するロバスト性を検証する.エピソード記憶については,ユーザとのインタラクションを通じて,エピソード記憶の形成について評価する.ロボットが記憶したエピソードを各ユーザが主的に評価することにより,感性情報学に基づく意味付けを施す.更に,研究連携者との国際的連携を強化して,平成29年度以降の新規研究課題の提案に向けたシナリオを作成する.

次年度使用額が生じた理由

研究代表者が2015年9月より1年間,サバティカルを取得して共同研究先に長期滞在することになったため,国際連携に関する経費が節減できた.また,エピソード記憶の工学的モデルの応用として財団の助成金(タカタ財団研究助成「交通シーンのエピソード記憶に基づく安全予測モデルの構築」)が得られたため,基盤部分を成す科研費の本研究において,相乗効果と効率化を生むことができたため,来年度に繰り越すことができる予算が発生した.

次年度使用額の使用計画

海外研究者の招聘を含めて,研究補助業務での人件費・謝金として執行する予定である.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Visual Saliency Based Multiple Objects Segmentation And Its Parallel Implementation for Real-Time Vision Processing2015

    • 著者名/発表者名
      H. Madokoro, Y. Ishioka, S. Takahashi, S. Sato, and N. Shimoi
    • 雑誌名

      Computer Science and Information Technology

      巻: 3-5 ページ: 187-197

    • DOI

      10.13189/csit.2015.030504

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Basic Design of Visual Saliency Based Autopilot System Used for Omnidirectional Mobile Electric Wheelchair2015

    • 著者名/発表者名
      H. Madokoro, K. Shirai, K. Sato, and N. Shimoi
    • 雑誌名

      Computer Science and Information Technology

      巻: 3-5 ページ: 171-186

    • DOI

      10.13189/csit.2015.030503

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Classification of Trajectories Using Category Maps and U-Matrix to Predict Interests Used for Event Sites2015

    • 著者名/発表者名
      H. Madokoro, K. Sato, and N. Shimoi
    • 雑誌名

      Computer Science and Information Technology

      巻: 3-4 ページ: 138-147

    • DOI

      10.13189/csit.2015.030408

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Analysis of Facial Parts Effects by Emotion-evoking Videos focused on Smile Expression Process2015

    • 著者名/発表者名
      K. Sato, M. Ito, H. Madokoro, and S. Kadowaki
    • 学会等名
      The Tenth International Multi-Conference on Computing in the Global Information Technology
    • 発表場所
      St. Julians, Malta
    • 年月日
      2015-10-11 – 2015-10-16
    • 国際学会

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公開日: 2017-01-06  

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