本研究では音楽知覚研究としては新しい手法である脳磁図のASSRを用いた.これにより同時に提示される異なる音に対する反応を分離して取り出すことができる.和声については,長・短三和音,減三和音,増三和音の順にASSRが有意に増大するという結果を得た.これは不協和度と対応していた. また和音構成各音に対する反応を調べ,それが和音の種類によりどのように変化するか調べた.これは和音認識に対する知見を得るのに将来役立つ方法である.多声部音楽として,3声部からなる多義的な旋律を提案し,同じ音構成でも旋律の認識の仕方によりASSRが変化することを見出した.これにより多声部旋律研究の一つの方法が提案できる.
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