研究課題
精神神経系疾患(うつ病、総合失調症、双極性障害)の網羅的メチル化解析及び発現定量解析で予備的に行った解析結果を使用して、数理モデルを作成し、その作成法の検討を行った。さらに、他の疾患や生物についても同様の数理モデル化の検討をし、本作成法が汎用的に有効であることを確認した。数理モデルの作成法については、詳細な特性の解析を行い、過学習や多重共線性などの問題点を解決する方法を検討した。本年は以下のような解析を行った。1、精神神経系疾患で検討した識別法(判別分析など)を用いて検討した最適化された説明変数を用いて数理モデルの作成を行った。2、これらの数理モデルの作成法が、大腸がんなど他の疾患や、他の生物(コケや菌類)などにおいても、臨床診断や、表現型予測に有効であることを確認した。3、モデルの作成にあたって、識別法によっては過学習及び、ランク落ちや多重共線性の問題が生じることが認められ、これらの問題を解決するために、大規模並列化計算を行い、多次元データの数理モデル化に必要な正則化などについて検討した。
2: おおむね順調に進展している
前年までに取得したデータを用いて、多次元データから、モンテカルロ法により説明変数を最適化し、数理モデリングを行う方法を確立した。作成した数理モデルの特性分析により、過学習及び、多重共線性を避ける方法を確立した。これらの方法は他の疾患や生物において、臨床診断や表現型予測に有効であることを示し、いろいろな応用ができることを示すことができた。これらの結果をまとめ、特許出願及び国際特許出願を行い、この方法の商品化、事業化への糸口をつけることができた。以上のことから、本研究は概ね順調に推移していると考えている。
現在までに確立した数理モデルは、必ずしも最善ではなく細かいところで改良の余地が残されている。主な課題は、ベイズ推定法などの検討である。大腸がんなどの他の疾患や生物についても有効であることが示されたため、これらの商品化、事業化へ向けて必要な実装を試みる。
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J Psychiatric Res
巻: 66-67 ページ: 1-6
10.1016/j.jpsychires.2015.03.004.
研究開発リーダー
巻: 114 ページ: 45-48