研究課題/領域番号 |
26330348
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研究機関 | 大妻女子大学 |
研究代表者 |
藤村 考 大妻女子大学, 社会情報学部, 教授 (90634642)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | レスポンシブ可視化 / three.js / HTML5 / 3DCG / データ可視化 / Neo4j / Cypher / グラフデータベース |
研究実績の概要 |
H27年度は、予定通りthree.jsを活用して属性付きグラフを3D空間に表現する新しい可視化手法を提案・実装した。本ツールは、可視化のターゲットとしている属性付きグラフにはできるだけ制約を設けずに、どのようなデータであっても可視化できる汎用的なツールの開発を目指している。この目標を達成するため、汎用的な属性付きグラフを格納するデータベースとして、近年、急速に普及が進んでいるグラフデータベースNeo4jを利用し、可視化対象のデータを一旦Neo4jに格納し、そこから可視化対象のサブグラフを抽出して可視化するアーキテクチャを採用した。 Neo4jではCypherと呼ぶ、データベースに格納された大規模なグラフから、ノードやエッジの条件を指定してサブグラフを抽出するクエリ言語を備えている。このため、一旦、Neo4jに格納さえすれば、可視化ツールのソフトウェアには手を入れることなく、Cypherで可視化対象を指定するだけで、様々な観点で分析可能となった。さらに、Cypherではサブグラフのエッジの抽出順序を時系列順などでシリアライズする機能があり、これを利用して、抽出したエッジをインクリメンタルに可視化ツールに追加することで、エッジやノードの出現をアニメーションとして表現可能になった。これにより、グラフの生成と消滅といったダイナミックスを把握することが可能なツールを開発することができた。 H27年度に開発したソフトウェアは、CypherVis3Dという名称で、オープンソースのリポジトリであるGitHub上に公開(https://github.com/kofujimura/cypherVis3D)した。また、デモサイトやYouTube上での動画配信を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初計画で予定していなかった学内の委員を多数担当することとなり、学務が多忙になったため。評価と論文投稿が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
H27年度の推進方策でも述べたように、引き続き、データ分析者のユーザエクスペリエンスをより高められる新しいインタフェースデザインの開発に重点を置いて研究を進める。汎用的な可視化を実現するためのアーキテクチャについては目的を達成したため、今後はその評価と論文投稿に力を注ぐ。
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次年度使用額が生じた理由 |
学会発表の遅れにより、旅費の支出が少なかった。 Amazon AWSの計算コストが当初予定より低くなったのは、ユーザエクスペリエンスの重点化により、サーバよりも端末のブラウザ上での計算(物品費)で使用したため。
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次年度使用額の使用計画 |
評価実験のための環境整備と旅費などに使用する。
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