研究課題/領域番号 |
26330351
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
中島 伸介 京都産業大学, コンピュータ理工学部, 准教授 (90399535)
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研究分担者 |
張 建偉 筑波技術大学, 産業技術学部, 助教 (20635924)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 情報工学 / ウェブマイニング / トレンド分析 |
研究実績の概要 |
近年,爆発的に広まっているソーシャルメディアには,マスメディアが捉えきれないような世の中の動き(ロングテール)が数多く隠されているという仮説のもと,本研究課題ではこれらを効率的かつリアルタイムに近い状態で解析することで,世の中に広まる前のトレンド(流行語)をいち早く発見することを目指している.流行語の早期発見手法としては,コミュニティ間の話題の拡散分析に基づく方法およびブロガー先読み度分析技術に基づく方法について取り組むことにしている.また,解析対象ソーシャルメディアとしては,1,113万ブログサイトにて投稿された1億4,178万件のブログ記事(twitterを含む)を対象とし,最終的にはトレンド早期発見システムを構築すると共に,大規模な実データを用いた実験的評価を行う予定である.この枠組みの中で,平成26年度は以下に示す実績をあげた.
<コミュニティ間の話題の拡散分析に基づく流行語早期発見技術の開発> 話題語(流行語候補)と関連の深いコミュニティの自動判定手法の開発を行うと共に,コミュニティ間の話題の拡散状況を精度良く検出する手法について検討した. <ブロガー先読み度分析に基づく流行語早期発見技術の開発> 既出のメジャーな流行語の分析に基づく流行語成長過程分析手法の開発を行うと共に,流行語成長過程および対象の話題と各記事の関連度分析に基づくブロガーの先読み度分析手法について検討した. <大規模ソーシャルメディア分析に基づくトレンド早期発見システムの構築> コミュニティ間の話題の拡散分析技術およびブロガー先読み度分析技術を効果的に融合する方式を検討した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
最終的な目標であるトレンド早期発見システムの構築を目指し,平成26年度は,(1)コミュニティ間の話題の拡散分析に基づく流行語早期発見技術の開発,(2)ブロガー先読み度分析に基づく流行語早期発見技術の開発,(3)大規模ソーシャルメディア分析に基づくトレンド早期発見システムの構築,という3項目に絞って研究開発を行った.研究協力者であるきざしカンパニーと連携しながら,実データを対象とした分析システムの構築を進めている.また,単純なブログコンテンツだけではなく,商品口コミコンテンツの分析によるトレンド分析手法への応用や,早期に発見されたトレンドの活用方法としてWeb広告推薦への応用に関しても検討を進めることができており,おおむね順調に進展しているといえる.
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度以降は,引き続き,(1)コミュニティ間の話題の拡散分析に基づく流行語早期発見技術の開発,(2)ブロガー先読み度分析に基づく流行語早期発見技術の開発,(3)大規模ソーシャルメディア分析に基づくトレンド早期発見システムの構築,という3項目に絞った研究開発を進める予定である.これに加えて,平成26年度に着手し始めた,商品口コミコンテンツの分析によるトレンド分析手法への応用や,早期に発見されたトレンドの活用方法としてWeb広告推薦への応用についても,より具体的に検討を進める予定である.これにより,要素技術の研究開発にとどまるのではなく,各種実用分野への応用についても積極的に検討を進める予定である.
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