研究課題/領域番号 |
26330353
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研究機関 | 関西福祉大学 |
研究代表者 |
井田 歩美 関西福祉大学, 看護学部, 准教授 (70549203)
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研究分担者 |
猪下 光 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (30223291)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 育児情報 / ソーシャルメディア / ビッグデータ / テキストマイニング |
研究実績の概要 |
平成26年度は,株式会社ベネッセコーポレーション,ウィメンズパーク内にある7つの会議室のうち,7~11カ月児ママの部屋(発言数109千件),1歳児ママの部屋(発言数139千件),2歳児ママの部屋(発言数75千件),3歳児ママの部屋(発言数59千件)の4つの会議室の分析を行い,母親のSNS(Social Network Service)における育児情報ニーズを明らかにした. 結果,乳児をもつ母親は,授乳や離乳食など子どもの生命に直結する児の栄養や予防接種に関する情報を求めており,児の成長発達に関する情報は,わが子と同じ状況の子どもをもつ母親からの情報を求めていた.さらに,育児用品の購入決定に際し,実際に使用している母親から情報を得たいニーズは大きいことが明らかとなった. 1歳児の母親は,保育園に関する情報ニーズが大きく,子どもの通園により,発熱をはじめとした感染症への罹患など様々な不安や疑問をもっていることが明確となった.一方で,母親は,離乳の完了に向けて,まず,断乳,卒乳の時期を決定し,具体的な方法について他の母親からの情報を求めていた.同時に,離乳の完了は通常の食事が摂れることが必須であるため,母親は小食,好き嫌いなど子どもの状況に応じた不安や疑問を抱えていることが明らかとなった.2歳児の母親は,トイレトレーニングに関する情報ニーズが大きく,次いで言葉の発達に関する不安や疑問が多くを占めていた.3歳児では,幼稚園に関することが最も多く,その内容の詳細は園の選択から入園,幼稚園での行事や日々のお弁当作りなど多岐にわたっていた. 以上より,乳児および幼児前半期の子どもをもつ母親の育児情報ニーズは,子どもの成長発達とともに変化しており,適時,的確な育児支援の必要性が示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度は,当初の計画通り,子どもの年齢ごとの分析,検討を行った.しかし,研究成果の報告は今年度にずれ込んでおり,平成27年度は,学会発表および論文投稿による成果報告と並行し,4~6歳児をもつ母親の発言における分析,検討を遂行する予定である.
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今後の研究の推進方策 |
4歳児ママの部屋(発言数38千件),5歳児ママの部屋(発言数22千件),6歳児ママの部屋(発言数13千件)での発言内容(教えて)(聞いて)を分析する.得られた結果より幼児をもつ母親が知りたい育児情報と,聞いてほしい日常的な育児ストレスを明確にし,具体的な育児支援の方策の試案をまとめる.
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度物品費として計上していたノートパソコン(セキュリティ面を考慮しインターネット未接続)の購入およびデータ解析ソフトのバージョンアップが実施できず,翌年度への繰り越しが生じたため. また,自然言語解析の専門家によるコンサルテーションについて,日程調整ができず,謝金,旅費等が繰り越しとなった.
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次年度使用額の使用計画 |
平成26年度に実施できなかった上記内容について,計画を練り直し実施していく.
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