研究課題
本研究課題では、スマートグリッドに対して電気自動車(EV)が移動するバッテリーとして寄与するV2G(Vehicle to Grid)の実現を最終目標とする。研究期間中に電気自動車の日常的な移動とを対象とした「ミクロなライフログデータ収集」と「エネルギー消費推定」を継続的に実施した。その結果、3年分におよぶデータの蓄積が得られた。平成28年度はこのデータを活用した小型スマートグリッドの導入シミュレーション方法を提案し、プロトタイプシステムを実装した。適用事例として横浜国立大学キャンパス規模のマイクログリッドを想定し、横浜国立大学キャンパスにおける電力消費の実データや建物面積データ等を利用して、つぎの2条件でエネルギーの地産地消がどの程度成立するかを定量可視化した。条件1)太陽光パネルをキャンパス内のすべての建物・駐車場規模まで設置した場合。条件2)キャンパス内に駐車されているすべての乗用車をEVに置き換えた場合。これらの条件の組合せによって、需要側の電力エネルギー消費のピークカットと、不安定な再生可能エネルギーの有効活用が、多数のEVの導入によって同時に達成できることが明らかになった。この成果に関連した研究発表を行った2名の大学院生が、WebDBForum2016学生奨励賞、および、DEIM2017学生プレゼンテーション賞をそれぞれ受賞した。次に道路上でのエネルギー消費推定については、つぎの2つの成果が得られた。成果1:推定精度の向上のために、新しいマップマッチング方法を導入し、評価した。成果2:大量に積み重ねられたミクロなエネルギー消費データを道路データ上に集約してヒートマップ形式で可視化した。(成果1,2とも査読付国際会議ワークショップ発表)これらの結果から、道路にエネルギー消費の特徴的な傾向があることが確認され、有用な可視化方法であることが明らかになった。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (4件)
In Adjunct Proceedings of the 13th International Conference on Mobile and Ubiquitous Systems: Computing Networking and Services (MOBIQUITOUS 2016, Workshop MUSICAL2016)
巻: - ページ: 213-218
https://doi.org/10.1145/3004010.3004044
巻: - ページ: 207-212
https://doi.org/10.1145/3004010.3004045