平成28年度は、昨年度までに概ね完了したリサーチプロファイルの中で、「丸木利陽関係資料」と「西園寺公望・小泉策太郎関係写真資料」に関しては、写真研究者に対する追加のインタビュー映像などを撮影し、プロファイルに追加した。それらについては、「アート・ドキュメンテーション研究」及び、「アート・ドキュメンテーション学会秋季研究集会」で発表した。また、本研究を総括する意味で、文化財に関する写真情報をどのように残すかについて討議するシンポジウム「テーマ:文化財と写真~現物と複製 その境界を越えて~」を後援し、研究代表者がモデレータ及びパネルディスカッションの司会者として議論をまとめた。また、リサーチプロファイルの概要について、イギリスのケンブリッジ大学図書館、セントアンドリューズ大学の日本古写真研究者、アメリカのスミソニアン博物館アーサー・M・サックラー・ギャラリーアーカイブのアジア写真研究者を訪問して意見交換を実施し、その意見などを反映させた。 これらの内容を反映させたリサーチプロファイルは2016年度末に完成し、国立国会図書館のオンライン資料収集制度に納本を申請した。これらは承認が得られれば2017年度中に公開される予定である。また、これらの手順などを示した概要については、本科研の報告書などに掲載し、公開される予定である。その他関係する事項として、海外におけるビジュアル関係資料のメタデータの方式などについての調査結果を書籍『メタデータとウェブサービス』に掲載し、写真及びデジタルアーカイブなどに関する関連書籍の紹介及び書評などを行い、両者の今後の関係などについて述べた。
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