研究課題/領域番号 |
26330376
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研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
須藤 秀紹 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90352525)
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研究分担者 |
谷口 忠大 立命館大学, 情報理工学部, 准教授 (80512251)
川上 浩司 京都大学, 学内共同利用施設等, 教授 (90214600)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | コミュニケーションメディア / 地域活性化 / SNS / 不便益 |
研究実績の概要 |
初年度は,(1-a)SNSの分析,(1-b)キーワードの抽出と重要事例のモデル化,の2項目を実施する計画であった.それぞれの実績について以下に述べる. (1-a)SNSの分析 ,多様な価値観をもった人たちが集まって運営されることから,意見の対立が起き,その結果,コミュニティの活動が停滞してしまうことがある.そこで,多様なメンバーからなるコミュニティの活性化を目的としたコミュニケーションメディアの在り方について分析を行った.意見の対立が予想される場においては,個々の意見のぶつけ合いを避けるために,客観的にそれぞれの立場を理解する仕組みを導入することが効果的である.そこで,他者の意見を予想させるコミュニケーションゲームである,クロスロードゲームを用いたSNSを試作し,どのような問題について議論すれば,メンバー間の相互理解が深まるかについて,実験を通して明らかにした.またコミュニケーションゲームの一つであるビブリオバトルを,異文化コミュニケーションに導入した場合の効果を実験を通して検証した. (1-b)キーワードの抽出と重要事例のモデル化 不便の効用をシステムデザインに活用するガイドラインの試案を策定して国際学術雑誌で発表した.このガイドラインは100弱の事例から帰納したものであり,事例をキーワードとともに格納したデータベースは,RSNSに限らず一般の発想支援にも応用可能であることを示した. SNSの分析と不便益を用いたシステムデザイン・ガイドラインによって,コミュニケーションメディアの設計指針(ガイドライン)が明らかになったことから,次年度に予定していたRSNSシステムの構築作業に取りかかった.上の述べたSNSの分析結果に基づいて,システムとデータベースの構造を設計した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
システム設計のためのガイドライン作成が,当初予定よりも早く完了したため,次年度に予定していたシステムの設計に着手できた.設計に十分な時間をかけることができるようになったことから,最終的な提案システムの完成度を高めることが可能になった.
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今後の研究の推進方策 |
プロジェクトが当初計画通り進捗していることから,2年目は予定通りRSNSシステムの構築を進める.(2-a)システムの設計はほぼ完了しているので,(2-b)システムの実装に着手し,検証実験を行ってその完成度を高める. 次年度以降の課題としては,実証実験のために,どのようにして十分な協力団体を集めるかということが挙げられる.現在,室蘭市地域生活課や,ビブリオバトル普及委員会といった,住民活動を取りまとめている組織と連携を取りながらプロジェクトを進めており,これらの組織を通じて協力を募る予定である.
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