研究実績の概要 |
・背景と目的:ビジネス環境を生き抜くための昨今の多種多様な課題の多くは,変更需要として情報システム部門に降りかかる。組織がこの変更需要に迅速に対応できるか否かは,情報システム部門の総合力に左右される。このメカニズムを説明するため,「経営情報システム(MIS)はなぜ柔軟でなければならないのか」をビジネス戦略の観点からPart 1に,「如何にしてMISを柔軟にするか」をIT基盤整備と絡めた計画手法としてPart 2にまとめ,2013年にこれらを国際ジャーナルに発表した。 本研究は,変更需要に対処するためのこの総合力が,この柔軟性に依存すると考えており,これを具体例に検証することを目的とする。 ・計画:本研究は,計画期間3年で,つぎの2つのサブテーマを並行して実施する。(テーマ1)Part 2で提案した計画法は,一般化した理論であり,実務に供するには難解である。そこで,提案した計画法を事例と数値例を用いて具体化する。(テーマ2)IT戦略とビジネス戦略との連携の国際的学際的な議論を発展させるためには,本研究が提示する「MIS柔軟性の理論」がきわめて重要である。このため,この理論の重要性を,「中小企業のレガシー問題」の構造解明をとおして検証する。 ・実績:本研究と関連付け,前年度までのテーマ(JSPS科研費 K21530354)の集大成として,情報経営学会の論文誌に発表した。さらに,6月には,テルアビブで開催されたAIS (association for information systems)主催のワークショップにおいて,複数のフェローと本研究テーマについて議論し,今後取り組むべき明確な方向付けを得た。議論のベースとした論文は,下記に,プロシーディングとして掲載されている。 Furukawa. M., A Case Study on MIS Flexibility Planning for IT/Business Strategy Alignment, Proceedings of The First AIS-Journals Joint Author Workshop in ECIS, Tel Aviv, Israel, June 7, 2014
|