研究課題/領域番号 |
26330380
|
研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
古川 勝 富山大学, 経済学部, 教授 (50279402)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 情報システムの柔軟性 / ITとビジネスの戦略連携 / 情報システムの開発方法 / 情報システム管理 / IT基盤整備 / 情報システムアーキテクチャ / 情報システムの価値 / 変更のペナルティ |
研究実績の概要 |
本研究の目標は,情報システムの柔軟性を向上させるメカニズムを,①システムダイナミクスの状態遷移図を用いて解明すること,そして②中小企業のレガシー問題を通して①で得られる状態遷移図を具体的に検証することである。 ①については,工学系の大学院生の協力を得ることを前提とした当初の計画が順調に進まなかったので,計画を見直し,状態遷移図に改善を加えて再編集し,組織全体の情報システム・アーキテクチャの構造化の程度と組織が経験を通して蓄積してきたスキル(エンドユーザとエンジニア)との関係を浮かび上がらせることが出来るように改善した。 ②については,地元のITコーディネータ協会との協力関係を確立し,ゼミナールに所属する学生を使って地元企業の実態調査実施に向けた準備を進めている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
準備してきた状態遷移図の見直しに当初の予定よりも時間が掛かったため,全体としての計画が遅れている。アーキテクチャとスキルの因果関係については,今後も,実態調査を進めながら調整していく必要がある。 また,この状態遷移図の妥当性を検証するための実態調査は,協力体制がようやく整ったところである。地域の中小中堅企業を対象とした実態調査には新年度の学生を使うため,進捗状況は1年遅れとなっている。
|
今後の研究の推進方策 |
中小企業のレガシー問題を通して情報システムの柔軟性を説明するために準備してきた状態遷移図の妥当性を具体的に検証する。そのため、富山県ITコーディネータ協会の協力を得て、本年度中に、県内企業を対象に、アンケート調査を実施し、状態遷移図を検証するために適切と考えられる事例を選別する。その調査結果に基づいて選別した企業を対象に,状態遷移図のモデル内の変数が時系列的にどのように推移してきたかを調査する。本テーマを進めるに当たっての課題は,調査対象企業の関係者が,本研究の中核である状態遷移図を理解し,10数年にわたる情報システムの開発と運用に関する実経験を状態遷移図の中の変数に視覚的に表現できるかどうかである。この点について,ITコーディネータ協会所属のコンサルタントのサポートを期待している。
|
次年度使用額が生じた理由 |
中小中堅企業に対するアンケート調査が,未だ実施できていない。
|
次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額は,アンケート調査費用に充当する。
|