研究課題/領域番号 |
26330380
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
古川 勝 富山大学, 経済学部, 教授 (50279402)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 経営情報システム / 情報システムの柔軟性 |
研究実績の概要 |
経営情報システムの価値を、その報酬(reward)と変更のペナルティ(penalty)で表現する理論を構築した。難解な理論を実務に供するレベルまで具体化することが、当該研究の目的である。情報システムに関する学会は、Association for Information Systems(AIS)として世界統合されており、経営情報学会が日本支部を担当している。このAIS主催でアジア太平洋地区で開催される国際会議PACIS2017に研究成果を投稿し審査を経て採択された(2017年7月に発表の予定)。 当該研究では、情報システムの柔軟性をコストと時間の関数である変更のペナルティの逆数で表現する。これは、柔軟性を、変更要求に対して、簡単に(コストをかけずに)素早く対応できるという意味を表現したものである。この柔軟性を用いた評価指標によって、情報システムの開発方法の複数の代替案から最適(短期間で低コスト)な開発方法を特定できるようになる。 情報システムの価値を最大化するための論理は、バランスト・スコアカードの目標を達成するための情報システム機能をデザインし、最も柔軟性の高い情報システムを構築するための方法を特定するまでのプロセスの中に生かされる。 この研究は、香港で開催された国際会議PACIS2000での発表からはじめたものであり、当該研究期間中の2014には、「A Study on the “Flexibility” of Information Systems (Part 3): MIS Flexibility Planning Scheme for IT/Business Strategy Alignment」を雑誌掲載し、AIS主催のワークショップでは、当該研究の前段となる「A Case Study on MIS Flexibility Planning for IT/Business Strategy Alignment」について複数の研究者たちと議論を重ねてきている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初は、3年間の計画であったが、すでに4年目に入っている。この遅れは、家族が脳梗塞で入院し、その後遺症で、退院後に要介護とり、研究に集中できない期間があったためである。 研究の途中経過が国際会議PACIS2017に研究成果を投稿し査読審査を経て採択されたので、おおむね、所期の成果目標を達成しつつあると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今年の7月にマレーシアで開催されるAssociation for Information Systems主催の国際会議PACIS 2017の審査にパスしたので、情報システムの価値を用いて経営戦略からIT戦略までを統合する具体的な方法を発表する。この国際会議は、来年度、日本支部(経営情報学会)が横浜で開催する予定である。それまでに、実データを用いたモデリング(バランスト・スコアカードの目標設定から情報システムの開発案選定までの計画と診断のプロセス)を完了させ、査読審査を経て発表が出来るよう、準備を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
家族の入院と介護に時悪寒をとられ、データの収集と解析、論文の執筆に1年近く集中できなかったことが理由。
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次年度使用額の使用計画 |
AIS主催の国際会議PACIS2017(マレーシア)に投稿論文が採択されたので、渡航費として使用する。また、資料収集の意味で、AIS主催の国際会議ECISIS2017(ポルトガル)に出席するための渡航費として使用する。不足額は、法人運営費および委任経理金で補填する。
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