研究課題/領域番号 |
26330389
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研究機関 | ビジネス・ブレークスルー大学 |
研究代表者 |
齋藤 長行 ビジネス・ブレークスルー大学, 経営学部, 講師 (50454187)
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研究分担者 |
新垣 円 ビジネス・ブレークスルー大学, 経営学部, 講師 (70507631)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 青少年インターネット利用環境 / 青少年保護バイデザイン / エビデンスに基づく政策 / フィルタリング / ペアレンタルコントロール / 共同規制 / 行動公共政策 / ナッジ |
研究実績の概要 |
本研究では、インターネットを利用する青少年の保護を的確にかつ効果的に施行するための国内の社会制度づくりとその成果の国際的な共有を目的として、国際・国内社会における研究パートナーと協調して、アクションリサーチの立場から実践的な研究を行っている。そのような活動を通じて以下の成果をあげることができた。 1:【国際機関における国際的連携の呼びかけとベストプラクティスの共有】 国際機関である経済協力開発機構(OECD:パリ)のデジタル経済政策委員会(CDEP)の傘下にあるデジタル経済計測分析作業部会(WPMADE)において、国際的なインターネットの青少年保護指標の策定に向けた取組を2014年度から行っており、2015年6月には、「青少年インターネットリテラシー指標(ILAS)」の研究成果をプレゼンテーションした。さらに、5月にアジア太平洋経済協力(APEC)の情報通信政策に関連する委員会であるAPEC-TEL51(フィリピン)においても、ILASを利用したエビデンスに基づく青少年保護政策の有効性についてプレゼンテーションを行ったとともに、各国代表者に対して協調してインターネットの青少年保護を行って行くことを呼びかけた。 2:【国際学会における研究成果の発表】 国際学会での活動としては、インターネットの青少年保護をテーマとして4本の研究発表を行うことができた。 3:【国内学会における研究成果の発表】 国内における研究活動としては、アクションリサーチの研究パートナーとして、総務省、内閣府、警察庁、安心ネットづくり促進協議会、全国高等学校PTA連合会、猪名川町等からの協力を受けて、現実社会に起きている問題を学術的な側面から解決するための取組を行ってきている。その成果として、著書2冊、学術論文1編、学会発表5本の成果を上げることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究の実践とアウトプットの二つの側面において多くの成果を上げることができていると考えている。 研究の実践面では、研究パートナーとして、国際政府機関であるOECD、APECからの協力、国内の政府機関である総務省、内閣府、警察庁からの協力、民間社会団体である安心ネットづくり促進協議会、全国高等学校PTA連合会、猪名川町等の協力を得て、研究調査を進めることができている。特に総務省との連携により実施した2015年度のILAS調査では、1万3700人の被験者を対象に調査を行うことができた。また、内閣府の実施した青少年3000人、保護者3000人の被験者を対象とした調査データを活用して、フィルタリングの利用と啓発教育との関係性について分析を行った。さらに、安心ネットづくり促進協議会および全国高等学校PTA連合会との協力により、青少年と保護者のインターネットリテラシーの測定を行うことができた。測定の結果から、保護者の方が青少年よりもインターネットリテラシーが高いが、家庭における指導や躾に対する自己効力感が低いことを明らかにすることができた。 アウトプット面として、上記の成果は著書(国際・国内)、論文、国際政府機関での発表、国際学会での発表、国内学会での発表として形にすることができている。
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今後の研究の推進方策 |
2016年度は、これまでの2年間で行ってきた実践的研究の成果を基に、青少年保護バイデザインを具現化する青少年保護チェックリストの策定に取組む。さらに、策定したチェックリストの効果測定を行い、実社会において利用可能なチェックリストになるように改修を行い、PDCAサイクルを回すことを目指す。研究成果は、国際学会、国際政府機関、国内学会、書籍という形で発表することを目指す。尚、発表に際しては、本研究が科学研究費の支援を受けていることを明記することを誓う。
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次年度使用額が生じた理由 |
科研費申請時において独自調査を行うための予算を計上していたが、政府機関や社会団体と連携して調査を行うことができたことから、科研費からの支出を節約することができた。
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次年度使用額の使用計画 |
節約できた科研費用は、2016年度の国内外における研究発表のための費用として活用し、研究成果を積極的に発信していきたい。
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