研究課題
平成28年度は,前年度までに開発したプロトタイプの評価実験を行うとともに,システムのユーザビリティ及びセキュリティ評価等,運用に必要不可欠な要素についても評価・改善を行った.具体的には,短期的な評価として,学習者が効果的に言語能力を向上させるための能動的な方策である学習戦略(ストラテジ)と,学習戦略を運用する際に行っている手法やプロセスである学習タクティクス,学習タクティクスの構成要素に対応して実装された支援機能の部品(オブジェクト)を体系化したSTOマップを提示する群と提示しない群に対して,学習者がどの程度オブジェクトを組み合わせて利用できるか(マッシュアップ)を評価した.その結果,STOマップを提示することでマッシュアップの変更が有意に多くなり,より良い組み合わせを学習者が検討できる基盤となることが示唆された.また,中期的な評価として,1週間利用した際の学習傾向を分析した結果,リスニングスキルの向上に一定の効果があることが示唆された.また,リスニングに関するオブジェクトの開発だけでなく,音声を聞いて即座に復唱するスピーチシャドウイングに関する学習支援オブジェクト(スピーキング)や,言語間の語義の違いを意識して適切な英単語の選択を支援するオブジェクト(ライティング)などといった,英語学習全般を対象とした学習支援オブジェクトを開発し,より幅広い学習に対応したシステムとして拡張した.なお,一部の機能についてはAndroidスマートフォン上でも動作するように実装されており,ユビキタス環境を視野に入れた語学学習支援環境となっている.
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IEICE Transaction Information & system
巻: Vol. E99.D (2016) No. 6 ページ: 1615-1625
http://doi.org/10.1587/transinf.2015EDP7404