研究課題
申請時の研究計画と昨年度の研究成果を踏まえて研究を行った.以下は本年度の研究実績である.1.プロトタイプシステムの改善:昨年度に作成したプロトタイプシステムの改善を行った.具体的には,ユーザインタフェースの改善と学習履歴の暗号化と復号化を行う機能の追加を主に行った.プロトタイプシステムの操作性を高める上でユーザインタフェースの改善は非常に重要である.また,学習履歴の暗号化と復号化は,指導教員などによる学習履歴の評価という運用を前提とするプロトタイプシステムには必要不可欠な機能であり,これをいかに実現するかが大きなポイントであった.最終的には,公開鍵暗号方式を採用したが,これは本研究の基本方針にもマッチするものであり,かつプロトタイプシステムの運用面からみても適切な選択であった.2.アンチ・ユビキタス化による学習の実質化の調査:本研究によりアンチ・ユビキタス化されたWeb サイト・アプリによる学習(アンチ・ユビキタス・ラーニング)について被験者よる評価実験を行った.具体的には,研究代表者の研究室に所属する学生数名に本研究で実装したプロトタイプシステムを用いて学習してもらい,聞き取り調査を実施した.時間的な問題もあり,学習の実質化に関する定量的な評価やユビキタス・ラーニングとの比較調査を実施することはできなかったが,被験者の評価は概ね好評であった.3.研究成果の発表:関連する国際会議(ICEMI 2017)や国内の学会(教育システム情報学会)の研究会に参加し,本研究の成果発表を行った.主な発表内容はアンチ・ユビキタス・ラーニングの基本概念と新しいプロトタイプシステムについてであったが,会議での質疑応答も活発で概ね好評であった.また,国際会議で発表した論文は主催者の推薦により国際ジャーナル誌(IJIMT)にも掲載された.
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)
International Journal of Innovation, Management and Technology
巻: 8 ページ: 155,160