研究課題/領域番号 |
26330401
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
林 敏浩 香川大学, 総合情報センター, 教授 (90264142)
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研究分担者 |
垂水 浩幸 香川大学, 工学部, 教授 (80293900)
八重樫 理人 香川大学, 工学部, 准教授 (30410848)
村井 礼 香川大学, 大学連携e-Learning教育支援センター四国, 教授 (30279111)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 作問 / 知的教育システム / ASC / 基礎知識学習 / e-Learning |
研究実績の概要 |
平成27年度に開発した一次試作システムの機能評価に基づき、領域知識ベース、学習者モデル、教授戦略制御機構を中心に改良を進め、Webアプリケーションとして二次試作システムを開発した。領域知識ベースについて意味ネットワークの形式で教授知識をサーバシステム上にデータベースモジュールとして格納・利用できるように構築した。学習者モデルについては意味ネットワーク形式の教授知識のデータベースを学習者ごとに複製し、ノードに知識状態を付与する方式でオーバーレイ型学習者モデルを実装した。これにより、複数の学習者が独立に本システム上で学習できる基本的な枠組みを実現できた。また、教授戦略制御機構は主に対話制御を中心にインタフェース実装を行った。具体的には作問における曖昧な表現から学習者の知識状態を判定して、教育対話を制御する仕組みを実現した。レーベンシュタイン距離などを用いて知識推定の精度向上も図った。開発した二次試作システムの評価は実際の大学の授業で実施する予定であったが、システム改良とブラッシュアップに予定以上の時間を要したため、規模を縮小して評価実験を実施した。評価実験では領域知識ベースのノードとリンクが適切に整理されている場合は、高い精度で学習者の知識推定が可能であるが、そうでない場合、推定精度に影響が出ることがわかった。それ以外の教授戦略の適応的な切り替えや終盤のドリル&プラクティスは当初想定していた性能が得られた。一次試作システムと同様の対象領域の汎用性を担保しつつ、二次試作システムとしては想定した性能が実現できたと言える。なお、得られた結果は教育工学や教育システムなどの国内の関連学会で成果発表して、関係する研究者と情報共有・情報交換を行った。二次試作システムは平成30年度以降の大学の授業で利用して教育実践研究を行う予定である。
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