本研究は福祉専門職教育においてICTを活用した研究を行い、新規の領域を開拓し、より質の高い福祉人材を養成する教育プログラムを開発することを目的としている。最終年度でもある4年目の平成29年度は、計画では①模擬保育の教材における形成的評価、ルーブリックの作成とソフトウェアへの実装を行う、②これまで取り組んできた内容をまとめて公表するの2点であった。 ①については、これまでの模擬保育演習を通して録画された模擬保育場面の動画と、そのピアレビューを基にした形成的評価の作成に取り組んだ。ただし、時間的制約から計画していたルーブリックの作成にまでは至ることが出来なかったが、素案の作成には取り組めており、最終年度以降も継続的研究課題として取り組む予定である。②については、これまでに取り組んできた成果を公表するため、平成30年度中に著書を上梓するべく作業を進めている。また、これまで取り組んできた研究成果を整理する中で、本研究テーマをさらに発展させた研究課題へ研究チームとして到達することができ、査読付き論文として発表した。 上記以外に、これまで取り組んできた社会福祉士養成課程における模擬面接に関する教材についても継続的に教材の作成・改善にも取り組んだ。特に平成29年度の取り組みとしては全天球カメラで模擬面接を撮影することで、ヴァーチャルリアリティを活用したピアレビュー教材の作成を行った。この教材については、今後の継続的研究課題として活用していく。 以上の取り組みにより、査読付き論文として雑誌『地域ケアリング』の掲載論文が1本、教育システム情報学会の全国大会での研究発表が2回、同学会研究会での研究発表が1回、日本保育者養成教育学会全国大会での研究発表が1回、合計5つの成果となった。
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