研究課題/領域番号 |
26330411
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
小島 直子 同志社大学, 全学共通教養教育センター, 助教 (80624890)
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研究分担者 |
HAMCIUC MONICA 宮崎国際大学, 国際教養学部, 講師 (70721124)
佐藤 洋一郎 立命館アジア太平洋大学, アジア太平洋学部, 教授 (90569782)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 文献収集 / 文献研究 / 国際情報交換 / データ収集 / 口頭発表 |
研究実績の概要 |
26年度はa.文献研究、b.データ分析、c.教員向けワークショップを行う予定であった。 a.文献研究は予定通り、各自行った。また、各自出席した学会で得た情報や資料を共有した。 b.データ収集及び分析については、予定通り、2014年度秋学期に立命館アジア太平洋大学で研究分担者が担当している英語開講講座(以下EMI)で日本人学生を対象にデータ収集を行った。このデータについては現在研究代表者が分析中である。同様の質問紙を使用して、2012年度にもデータを収集しており、この分析済みのデータと比較分析する予定である。比較分析する目的としては、2012年度と2014年度では教育実践に変更を加えており、その効果の有無を明らかにするためである。2012年度に行った研究代表者及び研究分担者による言語サポートは学期後半のみ行い、ワークシート及び言語教員による直接指導を授業時間内に行った。2014年度は1学期間通してワークシートを使用し、自主学習の教材開発を行った。ただし、言語サポートは教室外のみに限定し、授業時間内は指導はあくまで科目担当教員のみが行った。また、EMIの現状把握を目的としたデータ収集においては、立命館アジア太平洋大学を主な収集先として、2015年春学期現在もデータを収集中である。 c.教員向けワークショップは2014年度秋学期に開催する予定であったが、天候不順により、開催場所であった立命館アジア太平洋大学が臨時休校となり、2015年度春学期に延期された。 以上3点に加えて、以下、2点を行った。d.2014年11月に開催されたSymposium on Postdoctoral Career Development in Japanese Studies and Undergraduate Education in English at Japanese Universities、で口頭発表を行った。e.2012年度と2014年度の比較研究についての論文を現在執筆中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的は、1.英語開講講座(以下EMI)における英語を母語としない学習者の自律学習を促し、科目理解度を深めるための教授方法を研究し、教授ツールを開発すること、2. 異なる高等教育機関で開発した教授ツールの実践、効果の分析を行い、より普遍的に活かせる教授方法や教材の開発を目指し、その発信を3.教員向けワークショップの実施やコーパスの公開によって行うことであった。 平成26年度は、まず現状を把握し問題を明確に理解するため、EMIを担当している立命館アジア太平洋大学の教員に対してインタビューをおこなった。さらに、EMIで学習者を対象にしたサーベイをとインタビューを実施し、EMIにおける学習者心理を明らかにしようとした。 平成27年度はこれらのサーベイとインタビューをもとに改良作成したサーベイを利用し、立命館アジア太平洋大学で量的及び質的データを収集中である。そして、今年度秋学期にはこれらのデータをもとに研究分担者が担当する予定のEMIにおいて、教授方法の提案や教授ツールを活用した授業実践を試み、その効果を学習者心理の視点より明らかにする予定である。 また、同志社大学においても、授業視察やEMI担当教員とのミーティングを開始しており、より多角的なデータから授業実践や教材が開発できるよう準備を進めている。 教員向けワークショップは平成27年度07月及び秋学期に立命館アジア太平洋大学で行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策は、1.データ収集及び分析、2.分析したデータに基づいた教育的実践と効果の測定、及び3.論文執筆を主に行っていきたい。また、最終年度である、平成28年度には外部への発信を中心に活動していく予定である。 1.データ収集は、平成27年度春学期に立命館アジア太平洋大学を主な収集場所として行っている。立命館アジア太平洋大学を主な収集場所と限定した理由は、その独創的な環境から、他大学のデータとともに分析することは難しいと判断したためである。量的および質的データを教育代表者を中心に学習者より収集中である。 加えて平成27年度5月から同志社大学において授業視察を開始する予定であり、縦断的データも収集する予定である。 2. 収集したデータの分析結果をもとに平成26年度及び平成27年度に行ったEMIにおける言語サポートの改良を行う。これまでは言語教育学の視点から言語サポートを行ってきたが、EMIにおける学生心理を明らかにしたことにより、より、EMIに特化した教育実践や教材開発が可能になる。また、平成27年度秋学期には研究分担者が担当するEMIにおいてその教育実践や教材を応用する予定である。1と同様の方法で量的、質的データを収集することによって、その効果の有無や学生心理の変化の有無を明確にすることが可能になる。 3.論文執筆においては、1.及び2の発信を目的とする。EMIにおける実証研究の文献は非常に少なく、国内外に発信する意義は大きい。口頭発表においては、教員向けのセミナーに加えて、海外でも行い、研究者とのネットワークを作り、より良い研究に向けて情報交換を行う機会とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
平文献研究やデータ収集の準備を主に行ったため、謝礼及び旅費が予算額を下回った。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度は収集したデータ分析のResearch Assistantを同志社大学、及び立命館アジア太平洋大学で雇う予定のため、未使用の謝礼を使用する予定である。また、教員向けセミナーも2度開催する予定としており、旅費として使用する予定である。学会における口頭発表及び論文執筆においても、最終年度を中心に国内外に発信していく予定であり、未使用の予算を問題なく使用することができる。
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