研究課題/領域番号 |
26330411
|
研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
小島 直子 同志社大学, 全学共通教養教育センター, 助教 (80624890)
|
研究分担者 |
HAMCIUC MONICA 宮崎国際大学, 国際教養学部, 講師 (70721124)
佐藤 洋一郎 立命館アジア太平洋大学, アジア太平洋学部, 教授 (90569782)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 英語開講講座 / EMI / 指導モデル開発 / 動機付け / 指導方法の効果検証 |
研究実績の概要 |
a)先行研究の体系化:文献研究を進めている。アジア諸国における共通の問題点や現場の混乱が明らかになってきた。(多くの教育機関は英語開講講座の効果を証明する実証研究を待たずして、英語開講科目の導入を決めたこと、その効果は疑問視されていることなど) b)縦断的取り組み, c)複数の教育機関:日本における信頼性のある実証研究が明らかにならなかったため、現状把握を行い、効果を検証する方法から探っている。27年度には、立命館アジア太平洋大学(APU)にて、26年度に行った予備調査をもとに、EMIの動機付けに関係していると考えられる要因について質問紙を実施した。同大学に所属する7名のEMI担当教員から協力を得て、EMI履修学生約220名から回答を得た。その結果、EMIでは、英語学習動機付けが科目学習動機付けよりも影響を与えていること、英語学習動機付けの中でも、「第二言語話者としてのなりたい自分」を明確に持っている学生ほど、EMIに対する動機付けが高いことがわかった。 d)新しい教育手法の提案:28年度の後半を目指して新たに2名のEMI担当教員から調査協力を得て、準備を行っている。 e)15年度に行った研究の中間発表は以下の通りである。7月にInternational Study Association on Teachers and Teachingにおける口頭発表を行った。タイトルは“Teaching Japanese Foreign Policy to Japanese Students in English”。学会の紀要には同様のタイトルで論文を発表している。11月にAsia Pacific Conference における口頭発表を行った。タイトルは“The Meaning of Bridge Programs in University EMI Contexts”。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
以下2つの理由において、指導方法の使用・データ収集が遅れたため、研究計画と比較すると調査がやや遅れている。 1)当初、指導モデルや教材開発の効果を検証する予定であったAPUと宮崎国際大学の科目において、データ収集が困難であることが明らかになったため、新たな調査協力者及びデータ収集先を見つける必要があった。宮崎国際大学とAPUではクラスの規模、研究環境などが大きく異なるため、この2つの大学において同様の指導方法を試用し、データ収集することが困難であることがわかった。加えて、データを収集する予定であったEMI講座の履修者が極めて少なく、特に量的データを収集することが不可能であった。今後も研究を継続していくため、APU及び同志社大学に所属する2名のEMI担当教員にコンタクトを試み、彼らから調査協力の承諾を得ることができた。今後は新たに加わった2名が担当する英語開講科目を中心に指導方法の提案と効果検証を行い、遅れを取り戻したいと考えている。 2) 文献研究の結果、参考となる信頼性の高い実証研究が見つからなかった。そのため、現状把握を行い、どのように英語開講講座において効果を検証するのかを決める必要があった。当初の予定には含まれていなかったが、現状の正確な理解は指導方法の提案やその効果検証に不可欠であるため、予定していた研究内容に加えて実施した。 現段階では、27年度に行う予定であった指導モデルの開発・使用・効果検証のためのデータ収集を28年度に行う予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
28年度は、27年度に実施した調査の論文及び口頭発表と調査結果をもとに提案する英語開講講座における指導方法の提案を中心に行う予定である。 論文発表は26年度に行った予備調査について、口頭発表については、予備調査及び27年度に行った本調査について行う。英語開講講座における指導方法については、28年度秋学期に実施するため、新たに調査協力を依頼したEMI担当教員とすでに打ち合わせを始めている。また、データ収集についてもすでに説明を行い、了承を得ており、調査実施は問題ないと考えている。 今後の課題は、指導方法の効果を検証するためのデータの量である。質問紙を中心に行うため、200名程度から回答を得たいと考えているが、指導方法を試みる授業数によっては、多くの学生から回答を回収することが難しいと考えられる。この点は、いかに普遍性(分野を問わず試みることができる指導方法であること)があり、教員への心理的・身体的負荷が低い指導方法を提案できるかが鍵となる。28年度春学期を使用し、27年度に収集したデータ及び、教育実践介入の効果検証を行った先行研究を参考にし準備を行い、多くの教員及び学生から調査協力を得たいと考えている。
|
次年度使用額が生じた理由 |
New ZealandにおけるInternational Study Association of Teachers and Teachingに2名で参加する予定であったが、参加を予定していた研究者のうち1名が公務により参加不可となった。その結果、学会参加費及び渡航費が使用されなかった。
|
次年度使用額の使用計画 |
28年度に開催される国際学会への出席などを検討中。
|