研究課題/領域番号 |
26330420
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研究機関 | 愛知工業大学 |
研究代表者 |
水野 慎士 愛知工業大学, 情報科学部, 教授 (20314099)
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研究分担者 |
安田 孝美 名古屋大学, 情報科学研究科, 教授 (60183977)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 仮想拡張体験 / CG / VR / インタラクション / 画像処理 / デジタルミュージアム |
研究実績の概要 |
本研究では教育現場やミュージアム展示物など教育文化分野において,芸術作品の制作,科学的な事象の観察や実験などを仮想的・拡張的に体験することができるインタラクティブコンテンツの開発を行う.コンピュータグラフィックス(CG)やバーチャルリアリティ(VR),センサなどの技術を融合することで,現実の芸術制作技法や表現方法を拡張したり,現実には観察が困難な方法で科学的事象を観察したりすることなどを実現する. そして,平成26年度は,星座の立体構造を直感的に理解するために地球以外の場所からの星座観察を仮想的拡張的に実現する天体ビューアの実用化,縄文土器生成を仮想空間でシミュレーションするシステムの実用化,お絵描きやダンスを三次元CGに拡張するシステムの開発やワークショップの実施,テーブルトップ上の物体を仮想的に三次元コピーするシステムの開発とワークショップの実施などを行った.また,映像をカード上ですくい上げる体験を行うことができるシステムの提案と開発,走り高跳びを三次元的に分析するシステムの提案と開発,三次元データを用いた視覚障害者支援システムの開発も行った.そして,これらの研究成果を国内論文誌2本,国際会議発表4件,国内会議発表14件の発表を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的は,仮想的拡張的体験を伴うミュージアム展示物用コンテンツや芸術関連教育用コンテンツの開発である. その中で平成26年度は申請者が開発してきた既存技術を用いたコンテンツの実用化と新しい基盤技術の開発を行った.具体的には,ミュージアム展示物用コンテンツとして,三次元天体ビューアの実用化,縄文土器文様生成シミュレーションの実用化,三次元物体の擬似的三次元コピーシステムの提案と開発,映像をカードですくい上げるシステムの提案などを行った.また,芸術関連教育用コンテンツとして,お絵描きから三次元CGを生成するシステムを用いた大規模ワークショップの実施,お絵描きとダンスを用いた三次元CGコンテンツの提案などを行った.そして,これらの研究は国内外の論文誌や学会大会で発表することができた. 以上のことから,本研究は現在までおおむね順調に進展していると考える.
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今後の研究の推進方策 |
今後は平成26年度の研究成果を基盤としながら,新たな映像生成手法やインタフェース技術の開発を行って,仮想的拡張的体験を伴うミュージアム展示物用コンテンツや芸術関連教育用コンテンツの開発を引き続き行っていく予定である. 具体的には,芸術関連教育用コンテンツとして,ダンス,折り紙,粘土細工などを拡張するデジタルコンテンツの提案と開発を行う.またミュージアム展示物用コンテンツとして,彗星,流星,ロケット打ち上げなどの成り立ちや様子などを現実には困難な方法や視点で観察できるコンテンツの提案と開発を行う.さらに,考古学分野における発掘土器の仮想復元を実現するシステムの提案と開発も行う. これらの研究については適宜実験展示やワークショップを実施する.そして研究成果は国内外の学会会議や論文誌で報告する.
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度は開発用ワークステーションを購入する予定であったが,研究成果発表のための旅費が当初計画よりも増加した. そのため,ワークステーションの年度内の購入を断念して,残額を平成27年度に繰り越した.なお,平成26年度の開発は申請者の学内研究費で購入したPCで行った.
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次年度使用額の使用計画 |
今後の開発や実験には高性能ワークステーションが必要であると考えている.当初計画では実験用PCを購入する予定であったが,購入予定金額に平成27年度に繰り越した金額を加えることで,高性能ワークステーションを購入することも計画している.
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