研究課題/領域番号 |
26330421
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
THAWONMAS Ruck 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (50320122)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | メタバース / 情報推薦 / 行列分解 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,Second Life(SL)に代表されるインターネット上に存在する仮想三次元空間であるメタバースの訪問体験の質を向上させるための手法を確立させることである. 当該年度では前年度に続いて情報推薦に重点をおいた.その主な研究実績は以下の通りである. ○コンテキスト情報を活用した協調フィルタリング 仮想空間環境においてユーザにエリア推薦を行う手法を提案し,その有用性を評価した.仮想空間環境において多様なエリアの存在によってユーザが興味を持つエリアを見つけることを困難にしているという問題がある.我々はこの問題解決に向けてエリア推薦システムの開発を目指す.仮想空間のエリアはカテゴリーや説明文などのメタ特徴を持っており,これらの特徴をコンテキストと呼ぶ.コンテキストを考慮した既存の推薦手法を改良し,仮想空間のこのような特性を活かした推薦手法を提案し,仮想空間 Second Life から収集したデータを用いた評価実験によって提案手法の有用性を確認することができた. ○範囲制約付き行列分解bounded-SVDの拡張 本研究では,前年度に提案したbounded-SVD と呼ばれる新しい範囲制約付き行列分解の手法に対して拡張を図った.bounded-SVDとは予測評価値が範囲内になるように範囲制約をもつ行列分解法を指す.同手法は,実世界のデータセットを用いた実験結果により,R. Kannanら(2014)に提案された評価値の範囲制約を考慮したBounded Matrix Factorization (BMF)を上回った.今年度の拡張ではユーザのバイアス及びアイテムのバイアスが導入され,前記のデータセットを用いた評価実験において性能の向上が確認できた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
重点をおいている情報推薦に関しては順調に研究成果を出しており,2件の査読付き原著論文に繋がった.
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今後の研究の推進方策 |
これまで提案した手法に対して横断型情報推薦ができるように拡張を図る.
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度にタイにいるバンコク大学の共同研究者数名が共同研究のために来校することになったため,2015年度の予算執行をある程度抑えていた.
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次年度使用額の使用計画 |
先述したように共同研究を本格的に実施し,国際共著論文に繋がるような形で予算を執行する.
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