本研究では,バイオリン演奏ロボットの表現力向上を目指し,楽譜から弓の運動方向を自動的に決定する「弓付け」アルゴリズムの構築を中心に研究を行った.構築したアルゴリズムは,(1)楽譜情報から演奏実現可能性を判断,(2)弓速の上昇による弓付けパターンの減少,(3)演奏者が用いる弓付けルールの適用,という段階を踏んで弓付けを行った.4小節の3種類の楽譜に適用したところ,2種類で弓付けが可能となった.そのうちの1つでロボットによる演奏を実現した.また,演奏者の演奏音の解析を通して,音量変化によって意図する印象の音を生成しようとしていることがわかった.加えて,ロボットハードウエアの向上にも取り組んだ.
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