山地河道で効果的に河床地形の地上型レーザスキャニング(Terrestrial Laser Scanning; TLS)計測を行う方法について、2016年5月の砂防学会研究発表会にて発表を行った。この内容については、2016年9月に専門誌であるRiver Research and Applicationsに論文 “ Effective acquisition protocol of Terrestrial Laser Scanning for underwater topography in a steep mountain channel”として掲載された。TLSを用いて取得された水面下データには光の屈折の影響があり、これを取り除かなくてはならない。昨年度までに、山地河道のうちプール部分では既存の補正方法を適用できるが、カスケード部分などでは複雑な水面勾配の影響で、既存の手法を用いて水面下データの補正を行うことが難しいことが課題として挙げられた。本年度では、水面勾配の影響を取り除く新たな補正方法を開発し、これにより複雑な水面勾配が存在するところでもTLSを用いて取得された水面下データを補正できることを明らかにした。この補正方法については、2016年7月のXXIII International Society for Photogrammetry and Remote Sensing(ISPRS) Congress国際学会にて口頭発表を行った。この後、この補正方法にさらに改良を加えることに成功したため、2017年5月の砂防学会研究発表会にて発表をする予定である。
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