我々は地上でのリモートセンシング計測により、野外の群落レベルで活用可能な太陽光誘起の植物蛍光計測法を開発している。装置の構成としては、光学望遠鏡に冷却CCD分光器を装着して可視・近赤外域のスペクトル計測を行うとともに、狭帯域フィルタを取り付けた冷却CCDカメラで画像としての植物蛍光強度分布を遠隔計測可能である。定量的な解析を行う目的で、植物と同時に白板の画像を取得し、スペクトル演算によりSIF強度を導出している。京都大学農学研究科のダイズとイネの圃場と森林総合研究所の山城観測地の森林において、距離数10 mでの計測から、直達太陽光誘起による植物蛍光スペクトル計測が可能であることを明らかにした。
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