研究実績の概要 |
本研究では,アルミニウムー腐植複合体の安定性を評価することを目的として,土壌から抽出した腐植酸の灰分除去処理の有無による微生物分解性を検討するものである。 平成27年度においては,昨年度調製した腐植酸試料(GS, MTM, SB;灰分除去処理なし:HF-, 灰分除去処理あり:HF+)を用いて高腐植酸分解菌による液体培養での腐植酸褪色試験を行った。その結果,GS腐植酸ではHF-試料に対してHF+試料で有意に高い褪色率を示したが,MTMおよびSB腐植酸では灰分除去処理の有無で明確な差異は認められなかった。 さらに,MTM試料を用いてパーライトを担体とした固相培地に粉末腐植酸を加えて高腐植酸分解菌を摂取し,0~6週間培養を行った。培養終了後,培養液中のフルボ酸ならびに腐植酸画分を回収しその吸光度を測定した。フルボ酸については培養0日目の吸光度に対する培養6週目の吸光度はHF-と比べてHF+の方がより低い値を示した。一方,腐植酸については0週~6週の間でHF+およびHF-の間に顕著な違いは認められなかった。
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