研究課題/領域番号 |
26340011
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
服部 寛 東海大学, 生物学部, 教授 (60208543)
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研究分担者 |
佐々木 洋 石巻専修大学, 理工学部, 教授 (10183378)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 南極海 / 海洋酸性化 / 植物プランクトン / 原核微小生物 / 動物プラナンクトン / 有殻翼足類 |
研究実績の概要 |
平成26年度における現場調査の実施は、海鷹丸(東京海洋大学)の南極航海、平成26年1月7日フリーマントル(オーストラリア)出港から2月8日ホバート(オーストラリア)帰港においておこなった。調査内容は、オーストラリア南方、東経110度上の南大洋において以下の研究内容である。 1)植物プランクトン群集においては、溶存無機炭素濃度が異なる深度から海水を採取し、サイズ分画(0.2-2.0µm)された原核生物群集の鉛直分布をメタゲノム解析法によって海洋酸性化に対する反応を明らかにするとともに、遺伝的多様度および種多様度を算出し、生物多様性の評価を行う。また、昨年の植物相と比較するために、定点および深度における植物プランクトンの種組成を明らかにする試料最終を実施した。 2)動物プランクトン、主に有殻翼足類の分布および貝殻微細構造の解析の目的で、有殻翼足類(Limacina helicina, Limacina helicina antarctica, Limacina retroversa)の貝殻微細構造の特徴をしらべ、過去に採集された個体の結果と比較することで海洋酸性化の進行の影響の有無を把握する調査を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画初年度にあたるため、現場調査により生物分布の特徴を把握することに主眼を置いた。その目的は、海鷹丸による南極航海に乗船して、試料最終と現場実験ならびに、セジメントトラップ投入、回収に成功して、今後の研究用の分析試料を確保できたからである。また、一部の得られたせいかは、ニュージーランドやイタリアでの国際会議でも発表することができ、日本の海洋酸性化に対する研究紹介も行えたからである。
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今後の研究の推進方策 |
27年度は、継続して南極海の調査航海に参加し、酸性化実験を行う予定である。乗船できない場合は、26年度に収集した莫大な試料解析に十分な時間を割きたい。 研究発表は国内の学会だけでなく、米国やヨーロッパでの学会や国際会議での発表をおこなって行きたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
南極海における現場調査と培養実験結果の発表のために、外国での学会参加をしていたが、外国の学会参加ができなくなったため、研究費をくりこした。 繰越し金は、次年度の外国での研究発表旅費として使いたい。
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次年度使用額の使用計画 |
外国での研究旅費は40万円かかり、これに繰越し金を充てる。
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