研究課題/領域番号 |
26340012
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
島田 沢彦 東京農業大学, 地域環境科学部, 教授 (90349811)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 熱帯泥炭地 / 泥炭地領域 / リモートセンシング / オイルパーム / 正規化差分光指数 / SAR / スペクトルメータ / 中部カリマンタン |
研究実績の概要 |
熱帯泥炭地において蓄積されている炭素量の見積値の算出には,不確定な面積情報が使用されて行われていることが現状である.本研究においては,衛星画像による客観的な情報を用いた熱帯泥炭地領域の抽出を行うことを目指す.今年度はインドネシア・中部カリマンタンにおける既存の泥炭地領域図についてレビューを行い,発行者(例えば,RePPProt 1985-1989,Wetlands International 2003-2006)の泥炭地領域の決定に主観的情報が多く含む事を示した(Shimada et al. 2016: in Tropical Peatland Ecosystems, Springer). 本研究での領域の抽出には,光学衛星画像センサデータの分光反射特性を用いての分類法の設立および,マイクロ波センサSAR画像データの干渉(Interferometry)からの領域特性抽出を目指す. 前者においては,スペクトルメータを用い現地オイルパーム葉の反射スペクトル特性について分析を行い,570 nmと680 nmにおける NDSI(正規化差分光指数)に泥炭湿地林樹木葉との反射スペクトルにより,オイルパーム林の抽出が可能であることを示唆した. 後者は,泥炭地が乾季および雨季において,その水分保持量の差により表面が上下することを利用し,乾季および雨季のPALSAR-2の画像干渉図から高低差を抽出するものである.現地において設置した変位計によりこれの検証を行うところである.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度当初は,多時期光学センサを用いてのスペクトル情報による分類のみでの研究遂行を目指したが,雲の無いクリアな対象範囲画像の入手が困難であることから,SAR画像による干渉法による方法へとアプローチをシフトしたため.
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今後の研究の推進方策 |
マイクロ波センサSAR画像データの干渉(Interferometry)からの泥炭地領域特性抽出を目指す.これは,泥炭地が乾季および雨季において,その水分保持量の差により表面が上下することを利用し,乾季および雨季のPALSAR-2の画像干渉図から高低差を抽出するものである.干渉可能PALSAR-2データは乾季画像として2015年8月27日および10月8日,雨季の画像として2015年4月9日を購入済であり,現地において2015年9月に設置した変位計によりこれの検証を行うところである.
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次年度使用額が生じた理由 |
2016年撮影PALSAR-2衛星画像データのアーカイブ完成を待っての購入としたため.
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次年度使用額の使用計画 |
PALSAR-2アーカイブ画像データを購入の予定
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