研究実績の概要 |
近年の大規模開発,またそれに伴う発生火災により,面積を減少させているインドネシア・中部カリマンタンにおける熱帯泥炭地において,リモートセンシング技術を用い以下の研究を遂行した. ・トゥミ(Combertocarpus rotundatus)やアブラヤシ(Elaeis guineensis)等の熱帯泥炭湿地林樹木およびプランテーション作物の葉面反射を,スペクトルメータによる計測データ(350 nm~ 1050 nm)から,2波長バンドの差分指数であるNDSI(Normalized Difference Spectral Index)について全組み合わせをマップ化し(NDSIマップ),このマップのNDSI値分布傾向をクラスター分類することにより,葉面分光反射特性を抽出する手法を開発し次の結果を得た.(1)トゥミを含んだグループ,アブラヤシ樹齢8・9年のグループ,その他のアブラヤシグルーブの3クラスに分類することができる,(2)NDSIの組み合わせとして(722, 665)、(712, 452)、(668, 555)、(558, 452)に特異的なグループ間の差が検出され,これらを使用することにより分類が可能である. ・2015年8月27日,2015年10月8日,2016年2月25日の3日間のALOS2/PALSAR2画像(SM3, Ascending, 右側観測画像)を用いた干渉SAR解析(DInSAR)により泥炭地の地表変動情報抽出を試みた.その結果,乾季・雨季間で-0.04~+0.038 mの地表面変動幅が抽出された.ただし,SAR画像推定値と現地実測値の一致は見られなかったため,基準点(位相差=0)の設定等の改良が課題として残った.
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