高塩素化多環芳香族炭化水素類(ClPAHs)の環境動態を明らかにすることを目的に、ClPAHsの合成ならびに環境分析を実施し、発生源の推定を行った。塩素置換数が3以上のClPAHsの合成では新たに4種のClPAHsが合成された。これらClPAHsを標準試料に用い、大気粉塵試料を分析した結果、24種のClPAHsも検出された。さらに同環境試料中の重金属やホパンといった燃焼指標物質との関連性からClPAHsは化石資源燃焼ならびに自動車排ガスが主要な発生源であることが示唆された。またClPAHsの光分解試験を行ったところ、一部のPAHsは塩素置換数が増加するにつれて光安定性が増加することがわかった。
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