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2015 年度 実施状況報告書

マイクロ化学チップオンライン濃縮ICP質量分析法による放射性ストロンチウムの定量

研究課題

研究課題/領域番号 26340019
研究機関弘前大学

研究代表者

田副 博文  弘前大学, 被ばく医療総合研究所, 助教 (60447381)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード福島第一原子力発電所 / 放射性ストロンチウム / モニタリング / ICP質量分析 / マイクロ化学チップ / オンライン濃縮
研究実績の概要

放射性ストロンチウムSr-90の新規分析手法として、マイクロ化学チップとICP質量分析法を組み合わせた迅速定量法の確立を目指している。目的元素であるストロンチウムの化学分離に有効とされるクラウンエーテルを用いた溶媒抽出法に関する先行研究をもとにフロー反応での連続抽出についての抽出条件およびICP質量分析計での測定条件を検討した。
前年度にオクタノールを溶媒とした溶媒抽出によりハイマトリックス試料からでも高効率でストロンチウムを分離することができることを確認している。ただし、この方法では試料量を数mL以下に減容するには蒸発乾固を必要とし、迅速性に欠ける。そこでICP質量分析計に直接導入することができるマイクロ化学チップを用いたオンラインシステムでの分離について検討を行った。
平成26年度に検討したクラウンエーテル濃度および分配定数をもとに特注加工したマイクロ化学チップによるオフラインシステムでの分離を試みた。初期段階のマイクロ化学チップとして抽出・洗浄・逆抽出の3段階でそれぞれ個別にチップを作成し、性能の試験を行った。この結果、いずれの段階でも水相‐有機相(オクタノール)の分離が不十分であることがわかり、流路の形状や送液速度に検討が必要であることが分かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

マイクロ化学によるフロー反応系で溶媒抽出を行った際に水相ー有機相間の分離が不十分で、水溶液フラクションに有機溶媒の混入が見られた。これは化学分離の性能に直接影響する問題である。マイクロ化学チップ内の流路の形状に関してメーカーと議論を行い、素材・形状・加工方法について検討を行う必要が確認された。

今後の研究の推進方策

マイクロ化学チップについて分液の効率を高めるため、素材や流路形状の検討を行う。また、送液ポンプについても安定性や耐薬性が求められるため、PTFE製のチューブが使用可能なチューブポンプを用いるよう変更を行う。その後、ICP質量分析系へのオンラインでの接続を行うため、残留する有機物の除去についてもUV照射やクロマトグラフィーの導入を検討する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] Determination of strontium-90 from direct separation of yttrium-90 by solid phase extraction using DGA Resin for seawater monitoring2016

    • 著者名/発表者名
      Tazoe, Hirofumi Obata, Hajime Yamagata, Takeyasu Karube, Zin'ichi Nagai, Hisao Yamada, Masatoshi
    • 雑誌名

      Talanta

      巻: May ページ: 219-227

    • DOI

      http://dx.doi.org/10.1016/j.talanta.2016.01.065

    • 査読あり / 謝辞記載あり

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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