Sr-90は高収率で生成する核分裂副産物の一つである。ベータ線しか放出しないことから難分析核種とされている。福島第一原子力発電所事故においても長期に渡り、汚染水の分析や環境モニタリングが必要であり、簡便かつ迅速な分析技術の確立が望まれている。本研究ではマイクロ化学チップおよびトリプル四重極型ICP質量分析計を組み合わせたオンライン分析システムの構築を行った。クラウンエーテルによる液―液抽出をマイクロ化学チップ上で行うことで、最大50倍の濃縮、精製した。これを超音波ネブライザーを装備したICP質量分析計へと導入することで10 Bq/Lの検出限界でSr-90を分析することが可能となった。
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