放射線は生体成分の水に作用して活性酸素(ROS)を産生させDNA損傷等の悪影響を引き起こす。本研究では精子幹細胞(SSCs)の放射線耐性に関わる分子の同定を行った。その結果、Nox3遺伝子、及びBcl6b遺伝子がSSCsの自己複製に関わる転写因子である事を見出した。SSCsにおいてMapk14又はMapk7遺伝子を活性化させるとNox1遺伝子が誘導されROSが増加した。Mapk14又はMapk7遺伝子をノックダウンしたSSCsを精巣内に移植するとコロニー数が減少した。本研究においMAPK14-MAPK7-BCL6B経路がROSの産生を介したSSCsの自己複製に重要な役割を果たす事が分かった。
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