研究課題/領域番号 |
26340027
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研究機関 | 高崎健康福祉大学 |
研究代表者 |
田中 進 高崎健康福祉大学, 公私立大学の部局等, 教授 (70348142)
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研究分担者 |
保坂 公平 高崎健康福祉大学, その他の研究科, 講師 (70108992)
山際 教之 高崎健康福祉大学, 薬学部, 教授 (70433638)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | アルキルベンゼンスルホン酸 / カルシニューリン / インターロイキン-2 |
研究実績の概要 |
細胞性免疫に関与するカルシニューリン(CN)の阻害物質として、アクリロニトリルブタジエンゴム中から同定した直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(LAS)は、環境汚染物質として知られている。平成27年度の研究では、LASの同族体を新たに化学合成し、CN活性に対する阻害作用を調べ、市販標準品のC12-LASと比較検討を行った。また、市販標準品のC12-LASを使用して、ヒトT細胞様株Jurkat細胞に対する毒性効果、LC/MSによる細胞内への取込量の検討、Jurkat細胞が産生するインターロイキン-2(IL-2)を指標とした細胞性免疫に対する影響について検討を行った。 市販標準品のLASはアルキル鎖上のフェニル基の置換位置の異なる異性体の混合物であったことから、新たに直鎖型C12-LASである4-ドデシルベンゼンスルホン酸の純物質を化学合成し、ウシ脳CNに対する影響について市販標準品との比較検討を行った。その結果、市販標準品のC12-LASと4-ドデシルベンゼンスルホン酸は、アルキル鎖の炭素数が12と同じであるにも関わらず、ウシ脳CNに対する阻害作用に違いが見られた。従って、アルキル鎖に結合している芳香環の位置によって、ウシ脳CNに対する阻害効果が異なることが予想された。 次に、Jurkat細胞を使用して、市販標準品のC12-LASの毒性作用を検討したところ、0.2mM前後の濃度で毒性作用が見られた。また、0.1mMの濃度のC12-LASを用いて細胞内に取り込まれたC12-LASをLC/MSで解析したところ、細胞の培養時間に依存して取込量が上昇した。さらに細胞が産生するコンカナバリンA誘導性のIL-2に対するC12-LASの影響を検討したところ、毒性のない濃度でIL-2産生の低下を認めた。従って、C12-LASは細胞性免疫に影響を与えることが細胞レベルで示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画の通り、4-ドデシルベンゼンスルホン酸の化学合成を行い、CN活性に対する評価を行った。また市販標準品のC12-LASのJurkat 細胞への取り込み、毒性解析およびJurkat 細胞のIL-2産生を指標としたLASの細胞性免疫に対する影響解析の評価を行うことができた。しかしながら、市販のLASの誘導体を用いたCN活性の検討が遅れていることから上記のような達成区分を選択した。
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今後の研究の推進方策 |
1.炭素数14、16、18の直鎖型アルキルベンゼンスルホン酸を化学合成し、CN活性に対する評価を行う。 2. LAS は、Jurkat 細胞のIL-2産生を低下させる作用があることを見出したが、この作用機序の検討を行う。 3.市販のLASの誘導体を使用し、CN活性の検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
国内および海外在庫の欠品のため、予定していた研究試薬が購入できず、次年度使用額が生じた。現在の状況では、欠品は解消されており、研究の進展に影響はないと思われる。また、もう一つの理由としてメーカー側のキャンペーンなどがあり、想定していた経費よりも安く試薬が購入できた。
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次年度使用額の使用計画 |
試薬の欠品は解消されており、次年度使用額から購入し、研究を進めていく。
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