細胞性免疫に関与するカルシニューリン(CN)の阻害物質として、アクリロニトリルブタジエンゴム中から同定した直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(LAS)は、環境汚染物質として知られている。LASアナログを用いてCN活性阻害に関する詳細な検討を行ったところ、アルキル鎖の長さに依存して阻害作用は強くなり、陰イオン界面活性剤はLASによるCN阻害を回復させた。またLASは、非競合阻害によりCNを阻害することが示された。Jurkat細胞を使用して、ConA誘導性のIL-2を指標にLASの細胞性免疫に対する影響について検討したところ、LASは転写調節因子NFATを介してIL-2産生を抑制することが示された。
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