研究実績の概要 |
ウズラを用いてpara-nitrophenol (PNP)を種々の量75日間経口投与した。肝の組織学変化、血中コルチコステロン濃度の変化を解析した。CYP450、CYP 1A4, 1A5, 1B1, heme oxygenase, aryl hydrocarbon receptor 1のmRNA発現量をPNP投与後の肝および初代培養肝細胞で測定した。肝にはリンパ球の集合や肝細胞の障害が認められた。血中コルチコステロン濃度が有意に上昇した。60日投与後には肝におけるCYP450、CYP 1A4, 1A5, 1B1, heme oxygenase, aryl hydrocarbon receptor 1の発現が顕著に増加した。さらに投与を継続したところ、75日目ではそれら全ての遺伝子発現は減少した。肝細胞の24時間の初代培養においては、CYP 1A4, 1B1, heme oxygenase,は増加したがCYP1A5は減少した。 精巣を除去しテストステロンを投与した未成熟の雄ラットを用いて4-nitro-3-phenylphenol (PNMPP)の雄性ホルモン作用および抗雄性ホルモン作用を解析した。7日間皮下投与し、血液中ホルモン濃度を測定したところ、10mg/kg投与した群では卵胞刺激ホルモン(FSH),と黄体形成ホルモン(LH)濃度が有意に減少した。テストステロンとプロラクチン(PRL)は有意に増加した。一方0.001および0.01mg/kg投与した群ではFSHとPRLが増加した。PNMPPは雄性ホルモン採用と抗雄性ホルモン作用を両方示すことが明らかとなった。
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