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2014 年度 実施状況報告書

RNAの酸化シグナルによる細胞死誘導機構

研究課題

研究課題/領域番号 26340040
研究機関九州大学

研究代表者

関口 猛  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60187846)

研究分担者 伊東 理世子  福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (10140865)
早川 浩  福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (70150422)
石井 健士  福岡歯科大学, 歯学部, 助教 (70516731)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード酸化RNA / 8-オキソグアニン / アポトーシス / RNAの分解 / Auf1 / mutT / Mth1
研究実績の概要

8-オキソグアニンを含むRNA(酸化RNA)が細胞内に過剰に蓄積することによってアポトーシスが誘導されるかを明らかにする実験を行っている。まず、酸化RNAの分解に必要な遺伝子を同定することを目的として実験を行ってきた。平成26年度で明らかにしたのは以下のことである。以前、早川らによりRNA中の8-オキソグアニンに結合するものとしてAuf1が同定されていた。われわれは、Auf1が8-オキソグアニン特異的に結合するかを証明するために、8-オキソグアニンを含む合成オリゴRNAを作成した。この合成オリゴRNAにAuf1が結合することを示した。さらに、Auf1を欠失した細胞株を作成し、RNAの分解が遅くなっているのを示した。これらのことから、酸化RNAの分解にAuf1が関わっていることが示唆された。
次いで、酸化ヌクレオチドの細胞内での働きを解明するために、大腸菌を用いて酸化RNAの分解にmutTが直接働くか調べた。RNAの分解は、5’末のGTPが分解されることで始まることが知られている。そこで、MutTに5’末のGTPをGMPにする活性があるかin vitroで調べたが、その活性がないことがわかった。また、RppHがRNAの分解に関わっているか調べた。そのために、大腸菌に「3ーH]uridineを取り込ませて、RNAの分解のタイムコースを取った。現在までのところRppHがRNAの分解に関わっていることを示唆するデータは得られていない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

8オキソグアニンが細胞にとって毒となる。それを除去する仕組みをあきらかにするのが本研究の目的である。平成26年度に、研究計画のうち、8オキソグアニンを含むRNAを分解するタンパク質として、Auf1の研究を行った。そのタンパク質が8オキソグアニンを含むRNAに結合することを示すことができた。またAuf1が酸化RNAの分解に関わっていることを示唆するデータを得ることができてその成果を論文に報告できた。また、大腸菌では、mutTが酸化RNAの分解に関わるかしらべたが、それを示唆するデータは得られていない。このように、研究計画にそって実験を遂行している。

今後の研究の推進方策

当初の研究計画にそって、動物細胞と大腸菌を用いた研究を遂行していく。特に、8オキソグアニンが、アポトーシスを誘導する仕組みを明らかにしていく。また、8オキソグアニンを細胞から除去する仕組みを明らかにするために、NorMタンパク質などの研究を進めていく。

次年度使用額が生じた理由

RIセンターの3月分の使用料金が6200円でそれの処理が終わっていないため。

次年度使用額の使用計画

事務で処理される予定。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Role of Auf1 in elimination of oxidatively damaged messenger RNA in human cells2015

    • 著者名/発表者名
      Takashi Ishii, Hiroshi Hayakawa, Takeshi Sekiguchi, Noritaka Adachi, Mutsuo Sekiguchi
    • 雑誌名

      ree Radical Biology and Medicine

      巻: 79 ページ: 109,116

    • DOI

      10.1016/j.freeradbiomed.2014.11.018

    • 査読あり

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公開日: 2016-05-27  

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