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2015 年度 実施状況報告書

地衣類を利用した黄砂モニタリングのためのデータベース構築

研究課題

研究課題/領域番号 26340045
研究機関横浜国立大学

研究代表者

中島 啓光  横浜国立大学, 環境情報研究科(研究院), 助教 (60399409)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードヤマトキゴケ / 銅ストレス / 色素 / 二次代謝物 / 金属汚染
研究実績の概要

高濃度の銅を蓄積することのできる地衣類ヤマトキゴケを構成する共生藻と共生菌に対して金属が与える影響を調べるため、平成26年度の野外調査で採集していた12点のヤマトキゴケについて、銅、色素、二次代謝物の分析を行った。その結果、銅濃度と色素濃度の間に相関は見られなかったが、銅ストレスの指標となる色素の比が銅濃度と負の相関関係にあることがわかり、共生藻が銅ストレスを受けていることが示された。また、高濃度の銅を蓄積していたサンプルについては、主要な二次代謝物の1つであるアトラノリンの濃度が銅濃度と負の相関関係にあることが示され、この二次代謝物を生成する共生菌も銅ストレスを受けていることが示唆された。以上から、黄砂の影響を評価するための基礎となる、地衣類の金属汚染への応答に関する理解が深まった。
平成26年度に本研究で構築した地衣成分分析システムによって可能となった地衣類の主要な二次代謝物の半定量分析を実施したところ、主要な二次代謝物の濃度と銅濃度との関係が見出され、本システムの有用性が実証された。
本研究で得られた成果は、他の研究の成果と合わせ、国際会議Colloquim Spectroscopicum Internatinale XXXIX (CSI 2015), 30 Aug-3 Sep, 2015, Figueira da Foz, Portugalに於いてポスター発表された。また、この国際会議の参加報告が研究代表者と国際会議参加者との共著で『X線分析の進歩』誌に投稿され、平成28年3月に掲載された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年度に採集した地衣類サンプルの分析により、金属汚染に対する地衣類の応答に関する理解が深まり、黄砂の影響を評価するための基礎となる知見が得られた。また、昨年度に本研究で構築した地衣成分分析システムを使った分析により重要な関係が見出され、本システムの有用性が実証された。さらに、本研究の成果を国際会議でポスター発表した。以上から、本研究はおおむね順調に進展しているものと評価できる。

今後の研究の推進方策

平成26および27年度に採集したサンプルの分析を進め、黄砂の影響を明らかにするための基礎データの集計および解析を行うとともに、金属汚染の地衣類およびコケ植物への影響に関する理解を深め、その理解に基づいたバイオモニタリングの方法を検討する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] CSI 2015 参加報告2016

    • 著者名/発表者名
      中島啓光、岡島敏浩
    • 雑誌名

      X線分析の進歩

      巻: 47 ページ: 333-338

    • 査読あり
  • [学会発表] Effect of Cu stress on the allocation of carbohydrates in the Cu-hyperaccumulator lichen Stereocaulon japonicum2015

    • 著者名/発表者名
      Hiromitsu Nakajima, Naoki Fujimoto, Takashi Amemiya, Kiminori Itoh
    • 学会等名
      Colloquium Spectroscopicum Internationale XXXIX (CSI 2015)
    • 発表場所
      Figueira da Foz, Portugal
    • 年月日
      2015-08-30 – 2015-09-03
    • 国際学会

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公開日: 2017-01-06  

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