研究課題/領域番号 |
26340047
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
松平 雄策 新潟大学, 工学部, 技術専門職員 (50377149)
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研究分担者 |
松原 幸治 新潟大学, 自然科学系, 教授 (20283004)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | UAV / 浮遊粒子採取 / 新潟スカイプロジェクト |
研究実績の概要 |
近年、無人航空機(Unmanned Aerial Vehicle,UAV)を飛ばすことによって、人間の作業を必要とする産業形態(輸送運輸,通信,観測,災害時の救援救助,被害調査)の無人化、安全化が図られている。 研究代表者が所属する新潟大学・工学部はこれまで、新潟市,県内企業,国立研究所と連携して、民生UAV用の小型ジェットエンジンと機体の研究開発を行ってきた(新潟スカイプロジェクト)。研究代表者らはこのプロジェクトに参加する中で、このUAVを用いた日本海上空での浮遊粒子採取を提案、大気汚染物質であるPM2.5や黄砂あるいは病気を誘発する植物の花粉等を捕集するシステムを開発し、いち早く情報を提供できる体制を目的としている。 平成26年度は小型ターボジェットエンジンの基礎的な研究を主とし、AMT社製のエンジンを購入、各種測定装置を開発,製作し新潟スカイプロジェクト製エンジンに応用できる目途がついた。さらに小型エンジンとは言うものの、148,000rpmでは122dB程のうるささであったため騒音対策も手掛け、消音器を設計,製作し現在実在するシェブロンノズルを取り付けることにより、122dBあった音を108dBに減少させることに成功した。 また、この研究に関連してエンジン内部の燃焼過程の可視化も行い、実際に窓付き矩形燃焼モデルを製作、このモデルを掃気ファンに取り付けることにより、エンジンの回転数を40,000~80,000rpmに想定した風量を流すことにより、その時の燃焼状態を可視化することができた。このことが意図するものは、より燃焼効率の高い燃料噴出装置,アニュラ型燃焼器の設計に役立つものと考えている。 平成27年度ではこれらの研究と同時に、電動モータによる実験機を使用して、浮遊粒子採取に向けた装置の開発を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成26年度中に、浮遊粒子採取用装置を作成、電動モーターの実験機に搭載してみることを目標としてきましたが、思いのほか小型ジェットエンジンの基礎的なデータ収集に時間を費やしてしまいました。 また研究代表者は、新潟スカイプロジェクトの一員のみならず、通常の大学業務もこなさないといけないため、遅れが生じてしいました。しかし、ターボジェットエンジンの基礎的データを収集する方法は構築でき、新潟スカイプロジェクト製エンジンへの応用は容易なものと思われます。現在まで行っている研究は、平成27年度においても継続しさらに、浮遊粒子採取用装置の作成,実験機搭載を試みる予定です。 現在採取装置に関して企画段階では終了しており、設計に入っています。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度には、浮遊粒子採取用装置を製作し、電動モーターUAV機に搭載して飛行試験まで行う。採取した粒子は、新潟大学工学部が所有する「電子走査顕微鏡」にて観察を行う予定である。飛行場所は、新潟大学五十嵐キャンパスを予定している。またエンジンの性能実験等は継続していくつもりである。 平成28年度は当研究の最終年度となるため、新潟スカイプロジェクト製のUAVに浮遊粒子採取装置を搭載し、日本海上空での採取を試みる。現在、新潟スカイプロジェクトのUAV機は飛行実験段階であり、実用化に向けて最終段階である。
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次年度使用額が生じた理由 |
旅費に関して、日本機械学会北陸信越支部講演会が年度末だったため、約50,000円の決算が次年度持ち越しとなりました。 さらに、年度末に静岡のヤマハ発動機に出向き、ジェットエンジン搭載の新潟スカイプロジェクト製UAVを飛行試験する予定でしたが、この計画が新潟市内で行われることに変更になり、旅費を使用することがなくなりました。 このような理由で次年度使用額への持ち越しとなりました。
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次年度使用額の使用計画 |
昨年度の繰越金使用は、未処理分(約50,000円)が支出されるため、残金100,000円ぐらいとなります。 今年度、学会発表へ鳥取(ガスタービン学会),山梨(機械学会),福井(機械学会)に参加予定なので、その旅費,滞在費に充てたいと考えています。また、消耗品の購入にも一部充てる予定です。
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