研究実績の概要 |
平成27年度において,小型ターボジェットエンジンの基礎的なデータ(推力,排気温度,燃料消費率,燃焼効率等)収集方法を確立した.さらにエンジンが発する〈音〉にも着目し,騒音対策としてサイレンサーを開発した.サイレンサーの出口にシェブロンノズルを取り付け,付けない状態との比較も行った.150,000rpmで運転した時は125dBの音を発していたのに対し,サイレンサーを使用した場合105dBと20dBも減衰させることができた.またサイレンサーを取り付けたにも関わらず,燃料消費率は無しの時と比較しても0.1g/sec/kgfと差ほど変化せず,このサイレンサーは最適であると言えるのではないか. またエンジンの最適設計を試みるにあたり,別の側面からのアプローチも行った.アニュラ型燃焼器を等比平板形状にした.通常,小型ジェットエンジンは円筒状を成しているが敢えて,矩形にし1面に耐熱ガラスを設置することにより内部燃焼の可視化に成功,さらに燃料を噴霧させるに必要な蒸発管ノズル形状の最適化にも着手した.現在【多孔式蒸発管】を開発,特許申請中である.このノズルを用いる事により,安定燃焼の限界を希薄領域に広げる事が出来た. これらの研究は,平成27年9月9日「第43回 日本ガスタービン学会」(鳥取),平成27年10月17日「日本機械学会 山梨講演会2015」にて発表させて頂いた. 上記と同時に,新潟スカイプロジェクト(NSP:新潟県内の産,官,学 共同プロジェクト)ではUAVの本体を製作しテスト飛行の段階まで来ている.平成28年度には,我々のエンジンを搭載したUAVの試運転が出来ると思われる.それと浮遊粒子採取は,市販のUAVを購入させて頂き,簡易的な収集装置を製作,実験飛行を繰り返している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者は研究室に所属する技術専門職員であり,研究室に配属された卒研生,院生,ドクターの研究に対し技術的にサポートしなければなりません.さらに週8コマある学部生に対しての講義もサポートしなければならず,これらは通常業務であることは十分承知しているのですが,なかなか本研究に時間を費やす事が出来ず,もう少し時間配分に対して計画を練り直さないといけません. さらに本研究課題は季節・気象にも左右され,新潟では冬季間研究を遂行することが難しく,このこともやや遅れている原因になっていると思います.
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