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2014 年度 実施状況報告書

超音波周波数の最適化と気液界面反応を応用した難分解性有機汚染物質の高効率分解手法

研究課題

研究課題/領域番号 26340057
研究機関埼玉大学

研究代表者

関口 和彦  埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (50312921)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード超音波照射 / 超音波霧化 / 短波長紫外光 / 過フッ化化合物 / 分解率 / 分解生成物 / 無機化率 / 促進酸化法
研究実績の概要

実施した研究概要
本年度は、気液相における難分解性汚染物質の分解が可能な新たな反応器設計を行うとともに、液相系の難分解性汚染物質に対して200kHz超音波ならびに短波長紫外光(185 nmを3 %含む主波長254 nmのUV光:UV254+185)を用いた分解実験を行い、その分解特性の把握を行った。

得られた成果
まずは、熱分解に効果的な周波数である200 kHzと霧化に効果的な周波数である2.4MHzの2種類が設置可能で、気相、液相の汚染物質の分解挙動が評価可能なステンレス製バッチ系反応器の作製を行った。本年度は液相系の難分解性物質の評価が主であることから、反応器下部には出力100 Wの200 kHz超音波振動子を設置し、反応器側面からはUV254+185ランプを2 本挿入し、超音波およびUV光を試料溶液に直接照射できる形とした。難分解性汚染物質として水との親和性が異なる3種類の過フッ化化合物を選択し、その分解挙動の調査を行った。その結果、OHラジカルによる酸化処理が困難な疎水性過フッ化化合物であっても超音波キャビテーションを利用することで、それらを完全に分解できることが明らかとなった。また、UV光による直接光分解を併用することで、分解中間生成物の分解、さらに無機化を促進できることも明らかとなった。分解中間生成物の低分子化に伴い、揮発性の過フッ化化合物が一部生成される可能性が示唆されたが、これら気相汚染物質については今後、超音波霧化を併用した気相処理技術の導入などで解決できるものと考えられ、次年度の気相汚染物質の分解実験において並行して検討することとした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度計画では、気液相における難分解性汚染物質の分解が可能な新たな反応器設計と液相系における難分解性汚染物質の分解挙動の把握となっており、概ねその通り遂行できたため。

今後の研究の推進方策

次年度は当初の計画通り、平成26年度に液相反応系として評価を行った新型反応器を用い、揮発性有機化合物(VOC)ガスの分解率を評価する予定である。VOCガスの分解実験においては、水溶性の分解生成物が多量に生成するため、この分解生成物の生成ならびに分解挙動についてもきちっと把握する。また、ミストへの捕捉状況、反応器内での分解挙動については、水中濃度を連続的に測定することで水中における無機化速度を評価する。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 過酸化水素含有ミストを用いたVOCガス分解処理プロセスの開発2014

    • 著者名/発表者名
      並木孝招, 関口和彦, 王青躍, 並木則和, 東賢一, 田村一, 諏訪好英, 鍵直樹, 藤井修二
    • 雑誌名

      エアロゾル研究

      巻: 29 ページ: 112-118

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 超音波と短波長紫外光を用いた難分解性有機フッ素化合物の分解処理2014

    • 著者名/発表者名
      工藤貴久, 関口和彦, 王青躍
    • 学会等名
      第23回ソノケミストリー討論会
    • 発表場所
      秋田市にぎわい交流館AU多目的ホール(秋田県秋田市)
    • 年月日
      2014-11-01
  • [学会発表] Evaluation of chemical reactivity for VOC gas on the ultrasonic mist and the influence of frequency on mist generation2014

    • 著者名/発表者名
      K. Sekiguchi, T. Kudo, T. Namiki, N. Namiki, K. Azuma, H. Tamura, Y. Suwa, N. Kagi, S. Fujii, T. Shimura
    • 学会等名
      23rd International Symposium on Contamination Control
    • 発表場所
      Coex Convention Center(Seoul, Korea)
    • 年月日
      2014-10-14
  • [学会発表] 超音波ミストの粒径分布に与える周波数の影響2014

    • 著者名/発表者名
      関口和彦, 工藤貴久, 王青曜
    • 学会等名
      第31回エアロゾル科学・技術研究討論会
    • 発表場所
      筑波大学(茨城県つくば市)
    • 年月日
      2014-08-07
  • [学会発表] 促進酸化雰囲気下での超音波ミストとVOCガスの反応性ならびにミスト生成に与える周波数の影響2014

    • 著者名/発表者名
      関口和彦, 工藤貴久, 並木孝招, 並木則和, 東賢一, 田村一, 諏訪好英, 鍵直樹, 藤井修二, 志村哲也
    • 学会等名
      第31回空気清浄とコンタミネーションコントロール研究大会
    • 発表場所
      早稲田大学(東京都新宿区)
    • 年月日
      2014-05-21

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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