本研究では、水中の有害物質を捕集および分解する新規有機ホスト無機複合体を調製し、これに有害物質を濃縮した後そのまま分解・無害化する高効率な環境浄化システムの構築を目指した。その結果、パークロロエチレンやクロロベンゼン等の有機塩素化合物を効率的に脱塩素分解できる複合材料を調製できた。一方、この複合材料の重要な構成成分である界面活性剤と化学構造が類似した4級アンモニウム塩を反応媒体として用いて、セルロースを30%程度の反応率で解重合できた。また、グルコースから有価化合物5-ヒドロキシメチルフルフラールを60%程度の収率で合成できた。いずれも、草本系バイオマスを資源化する際に鍵となる結果である。
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