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2014 年度 実施状況報告書

排水中ハロゲン化物イオンを有効利用する電解光化学促進酸化処理法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 26340064
研究機関龍谷大学

研究代表者

岸本 直之  龍谷大学, 理工学部, 教授 (00293895)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード電解促進酸化 / 光化学反応器 / 次亜ハロゲン酸 / 1,4-ジオキサン / 紫外線
研究実績の概要

本研究はHOClやHOBrを排水中の塩化物イオン,臭化物イオンの電解酸化によりオンサイトで供給する電解光化学促進酸化処理プロセスの構築を目指すものである。平成26年度は(1)排水中での次亜塩素酸生成影響因子の評価,(2)次亜塩素酸の光分解促進酸化プロセスの開発,(3)光分解後の残存ハロゲン酸化物除去装置の開発に取り組んだ。
(1)については,次亜塩素酸の電解生成用の無隔膜電解フローセルを製作し,ハロゲン化物イオン濃度,電極面流速,電流密度が次亜塩素酸の電解生成に及ぼす影響を評価した。その結果,ハロゲン化物イオン濃度85.5 mM,電極面流速20 cm/sの条件において,電流密度27.5 mA/cm2以上の範囲で電流効率80%以上を安定して維持できることを明らかにした。
(2)については,次亜塩素酸の存在形態毎の光吸収スペクトルを評価し,光分解波長として254nmを選定した。次に光化学反応器を用意し,1,4-dioxaneをラジカルプローブとして促進酸化特性を評価した。その結果,HOClがOHラジカル生成に関与していることを確認し,OHラジカル生成機構およびOHラジカル生成最適pH域を明らかにした。これらの成果はEnvironmental Technology誌に論文投稿し,受理されている。
(3)については,電解還元および真空紫外線分解による塩素酸イオン,臭素酸イオンの無害化を検討した。その結果,臭素酸イオンに比べ,塩素酸イオンは分解しにくい傾向にあったが,いずれのイオンも電解還元および光分解によりハロゲン化物イオンに還元されることを確認した。また,真空紫外線と殺菌線を比較した結果,真空紫外線はこれらのイオンの光分解により有効であることが示された。電解還元で得られた成果は学会発表を行い,光分解で得られた成果はWater Science and Technology: Water Supply誌に論文投稿し,受理されている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

平成26年度は,課題(1), (2)はほぼ計画通りに進展した。
課題(3)光分解後の残存ハロゲン酸化物除去装置の開発においては,当初予定の電解還元法に加え平成27年度以降に実施予定であった紫外線分解法も実施した。得られた成果は投稿論文として受理されており,順調に成果は出ている。

今後の研究の推進方策

【現在までの達成度】で述べたように,現在のところ,研究は当初計画を上回るペースで進展しているが,平成26年度において,検討が必ずしも十分でない,もしくは追試験が必要と考えられる実験項目が残っているため,追加実験を実施するとともに,本研究の主要課題である電解法とUV法の組み合わせ実験に着手する予定である。

次年度使用額が生じた理由

平成26年度は光化学反応器を製作する予定であったが,既存の小型反応器を代用して用いたため,その分,支出額が当初予定よりも小さくなった。代用した理由は,光化学反応特性を検討した上で,平成27年度実施予定の電解法と光分解法の併用プロセス用の光化学反応器を製作する方が研究開発上で有効であると考えたためである。

次年度使用額の使用計画

平成27年度は,電解法と光分解法の併用プロセスの実験に着手する。併用プロセスで使用する光化学反応器は大型のもの(7L程度を想定)が必要と想定している。当初計画では,平成26年度に製作した光化学反応器を利用する予定であったが,上記「理由」に記載のとおり,平成26年度の成果を利用して併用プロセス用に最適な光化学反応器を製作する方が研究開発上有効性が高いと判断されたことから,平成26年度の未使用額を用いて,併用プロセス用の光化学反応器を製作する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Efficacy of vacuum ultraviolet photolysis for bromate and chlorate removal2015

    • 著者名/発表者名
      Naoyuki KISHIMOTO, Yumeko YAMAMOTO, Syou NISHIMURA
    • 雑誌名

      Water Science and Technology: Water Supply

      巻: 15 ページ: 810-816

    • DOI

      10.2166/ws.2015.039

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Effect of pH and molar ratio of pollutant to oxidant on a photochemical advanced oxidation process using hypochlorite2015

    • 著者名/発表者名
      Naoyuki KISHIMOTO, Hideya NISHIMURA
    • 雑誌名

      Environmental Technology

      巻: 36 ページ: 2436-2442

    • DOI

      10.1080/09593330.2015.1034187

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 電解フローセルによる臭素酸・塩素酸の電解還元特性2014

    • 著者名/発表者名
      岸本直之,南部沙緒莉
    • 学会等名
      第17回日本水環境学会シンポジウム
    • 発表場所
      滋賀県立大学
    • 年月日
      2014-09-08 – 2014-09-10

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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