研究課題/領域番号 |
26340065
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研究機関 | 和歌山工業高等専門学校 |
研究代表者 |
米光 裕 和歌山工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (20290778)
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研究分担者 |
岸本 昇 和歌山工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (50280433)
奥野 祥治 和歌山工業高等専門学校, 物質工学科, 准教授 (60458073)
土井 正光 和歌山工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (30217608) [辞退]
楠部 真崇 和歌山工業高等専門学校, 物質工学科, 准教授 (40403761) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ホルムアルデヒド / ホルムアルデヒド分解菌 / 固定化菌体 / バイオリアクター / 連続操作 |
研究実績の概要 |
当年度の研究計画は、(1)固定化ホルムアルデヒド(FA)分解酵素または固定化FA分解菌による液相中のFA分解条件の検討、(2)固定化FA分解酵素または固定化FA分解菌による気相中のFA分解条件の検討を目的とした。 (1)の液相中のFA分解については、実用化を考慮し、昨年度固定化担体を検討し良好な結果を得たパイル織物生地にFA分解菌Methylobacterium sp. FD1株を固定化し、それを装着したバイオリアクター(6L×4槽)を用いて0.1%FA含有模擬排水及び同工場排水の分解処理を連続操作で行った。その結果、いずれの排水中のFAも滞留時間が約24時間で完全に分解された。このFA分解は約2ヶ月間良好に継続できた。また、この連続運転中に、バイオリアクターの特に2槽目以降の担体に新たにPseudomonas putidaの増殖が観察された。このP. putidaはFA分解菌でFAジスムターゼを生産することがわかった。したがってこのバイオリアクターによるFAの連続分解は、結果的にMethylobacteriumとPseudomonasの両菌によるとわかった。以上の結果は、本研究で開発した固定化FA分解菌バイオリアクターがFA含有工場排水の連続分解に適応可能であることを示しており、実用化に向けた重要な知見となった。 (2)の気相中のFA分解については、実用化を考慮した時にFD1株の生菌体は使用しづらいことから乾燥菌体を用いてアルギン酸カルシウムゲル固定化菌体を作製し、気相中のFA分解を試みた。その結果、FA(50 ppm)雰囲気下に置いた固定化乾燥菌体はFAを分解し、メタノールとギ酸を生成することがわかった。これより、アルギン酸カルシウムゲル固定化FD1株乾燥菌体は気相中FA分解に応用可能と示唆されたが、メタノールおよびギ酸の残留が課題として残った。
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